この道は母へとつづく : 新作映画評論

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この道は母へとつづく

劇場公開日 2007年10月27日
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この道は母へとつづく 10月27日よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー

少年のピュアな衝動に心を打たれる

画像1(C) 2004 Filmofond Lenfilm Studio

一見いかにもありそうなタイトルから容易に想像できるように、ストーリー自体に目新しさはない。だが本作の本質は、「母をたずねて三千里」のような古典的なストーリーに現代ロシアの社会問題を織り込んだところにある。99年のロシアで起こった金融破綻によって、街に大量にあふれ出たホームレスの子供たちを見て、本作のアイデアを思いついたという監督アンドレイ・クラフチュークは、子供も働かなくては食べていけない現代ロシアの経済事情や孤児院が抱える問題をリアルに描きつつ、養子としてイタリアで生きていく理性的な選択と、“本当の母親に会いたい”というピュアな衝動との間に揺れる少年ワーニャの葛藤を見事に描き出している。
 
  前半の悶々とした暗く重苦しいタッチから一転、意を決して母親を捜しに孤児院を抜け出したワーニャの“冒険”は、街の不良に襲われたり、追跡する養子斡旋業者から間一髪逃れるなどスリルとサスペンスに満ちていながらもどこか明るい。幾多の障害、そして人の優しさに触れながら、ただひたすら“母親に会いたい”という一心で前進するワーニャの姿には心を洗われる思いがした。

(編集部)

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ABOUT THE MOVIE

  • この道は母へとつづく 画像2
  • この道は母へとつづく
  • 母を探すために孤児院を脱走したという少年の実話を基に製作され、05年ベルリン国際映画祭の少年映画部門グランプリを受賞したドラマ。ロシアの辺境の孤児院で育ち、イタリアの夫婦に引き取られることが決まった6歳のワーニャだが、ある日、先に養子にもらわれていった友達の本当の母親が孤児院に現れ、まだ見ぬ母への思いが募る。自分が養子にいった後に本当の母親が現れたらと不安になったワーニャは、孤児院を抜け出して母親を探す旅に出るが……。
  • 原題:
    Italianetz
    監督:
    アンドレイ・クラフチューク
    脚本:
    アンドレイ・ロマーノフ
    撮影:
    アレクサンドル・ブーロフ
    音楽:
    アレクサンドル・クナイフェル
    出演:
    コーリャ・スピリドノフ、マリヤ・クズネツォーワ、ダーリヤ・レスニコーワ、ユーリイ・イツコーフ、ニコライ・レウトフ
    2005年ロシア映画/1時間39分
    配給:
    アスミック・エース
  • 10月27日よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2004 Filmofond Lenfilm Studio

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