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KIDS
(C)2008「KIDS」製作委員会
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乙一の短編小説「傷 -KIZ/KIDS-」を映画化したファンタジー。 この人の小説は読んでないけど、映画化されたものはみんな好き。 ミステリーとファンタジーが融合しながら、異常に切ない世界観、 さらに今の社会的な現実に則した描き方をしてくる。 今回の話も、幼児虐待・いじめ・暴力という暗い題材をあげながら、 それを上から説教して見せるのではなく、何がそうさせてきたかを 親子関係を軸に、ジリジリと生傷のように焙りだしていく描き出し。 それが痛く辛い想い出であるほど、乗り越える力は予想を超えるが、 誰かと半分こで分け合えるんだよという事を温かく示唆してくれる。 肉親との温かい関係が薄れつつある今、その反動なのか、 アカの他人のために奉仕をする人間が増えているのだそうだ。 今作で描かれるアサト(原作では小学生?ぐらいの設定らしい)も 母親への思慕と悔恨の狭間で苦しみ、自分を傷め続けることで 精神のバランスをとっている。そんな彼と出逢うタケオも実は、 彼とまったく同じところに位置している青年。誰かに愛されたい、 せめて、生まれてきて良かったと思える場所に身を置きたいと、 幼少期からそんな想いを抱えている子供達…なんて、画面上で 観ているだけでも異常に辛いものだ。なんて世の中だとも思う。 でも、意外にそれが現実だったりするのだ。 その二人に、シホという傷のある女の子が絡み、三人の穏やかな 日々が続いていく。同じ傷を抱える者同士、やっぱり仲良くなれる。 ただ人間は(というか、若い時は誰でもそうだな)もっと違う世界を 経験したくなるものだ。もし自分に「見える過去」さえなかったら… 違う未来が拓けてくるかもしれない。シホの願いは私も理解できる。 いったん旅立った鳥が、同じ土地に戻って巣を作るかどうか、は むろん個人の意志や価値観によるものなので、どうにもならない。。 さまざまな傷を自分に移すことで、自身を安定させるアサトが、 自分を大切に想う存在に出逢い、成長し、もっと生きてみようと 前向きな笑顔を取り戻す後半が(ちょっとムダに長い気もするけど) 素晴らしい~。そしてタケオの真の思いやりにも涙があふれた。 これを観て、子供達がどれだけ親の愛情を切望しているかを 感じない大人はいないと思う。親子の縁は、やはりすさまじい。 だから題名は「傷」と「キッズ(子供)」をかけているのだな…と。 この乙一さんは、まさか虐待などされていなかっただろうけど^^; ここまで気持ちを汲み取ることができるのが、すごく不思議だ。 異常に重々しい映画かというとそんなことはなく、ホッとできる シーンもある。全体的にゆったりとしたイメージが漂い、 私ならどうするだろう…と考える時間の余裕をくれる佳作。 (小池くんは童顔だけど上手いなぁ。天才子役になれるぞ?^^;)
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