劇場公開日 2008年10月11日

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私がクマにキレた理由(わけ) : 映画評論・批評

2008年10月7日更新

2008年10月11日よりみゆき座ほかにてロードショー

“子守り”対“成り上がりセレブ”の対決に目が釘付け!

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スカーレット・ヨハンソン主演で、彼女の表情に目が釘付けになるコメディ。大学出のヒロインが、ニューヨーク・アッパーイーストサイドに暮らすセレブ一家の6歳のひとり息子の“ナニー(子守り)”となる。正直者のワーキングガール対成り上がり者夫婦との対立軸を浮き上がらせながら、彼女の悩みやボヤきを、子役との間に固く結ばれた絆で時にホロリとさせつつ笑いでくるむ、楽しい映画だ。タイトルの「クマ」は“ナニー監視カメラ”が仕込まれたクマのぬいぐるみのこと。ラストは主人公が「キレた理由」をぶちまけるわけだ。

「アメリカン・スプレンダー」の監督コンビ、シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニによる作品で、マンハッタンに働くワーキングガールをアメリカ自然史博物館のジオラマケース風に見せる空想仕立ての演出が、実に戯画っぽくて楽しい。

セレブ夫婦を演じるのは、ポール・ジアマッティとローラ・リニー(今年のエミー賞を受賞したHBOのミニシリーズ「ジョン・アダムズ」でも大統領とファーストレディを演じている)。特に、主人公の前に立ちふさがるハイソな教育ママを演じるリニーが、作品にピンと張りつめた緊張感を与える“重し”のような自在な演技で、ヨハンソンのパフォーマンスを効果的に引き出している。また、「楽に見える道こそ、地雷だらけ」なんてセリフを吐く親友役でアリシア・キーズが客演。

サトウムツオ

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