ショートバス インタビュー: ジョン・キャメロン・ミッチェル監督(2)

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ショートバス

劇場公開日 2007年8月25日
2007年8月24日更新

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督インタビュー

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名曲「イン・ジ・エンド」の誕生秘話を明かすミッチェル監督 名曲「イン・ジ・エンド」の誕生秘話を明かす
ミッチェル監督

──「ヘドウィグ」は全曲名曲ですが、「オリジン・オブ・ラブ」に匹敵する歌が本作にも登場しますね、「イン・ジ・エンド」という歌はカタルシスがあります。

「映画にもヒゲ面で登場している作曲家のスコット・マシューズに、撮影も終盤になって、“ジャスティン・ボンドのために好きなように楽曲を書いてくれ”と頼みました。マーチングバンドも入るよ、と。それで出来上がった曲のテープを聴いたら、彼がしっとりと静かに歌っているだけだったけど、すごく感動したんですよ。映画には完璧な出来だった。“In the End”には、性的に“入れられる”という意味もあるし(笑)、“死んでしまう”という意味もある。どっちみち死んでしまう運命ならば、楽しく生きようという内容だった。バンドを入れてレコーディングしたら最高の楽曲になりました。みんなにギャラを支払って資金も底をついた時でしたので、ほぼ全員がノーギャラでやってくれた(笑)。映画ではなるべく楽しいことをしようと思っていますが、これは最高でしたね」

──常に楽しいことを?

「普通の映画監督には、俳優同士を闘わせて得た緊張感を“ドラマ”だと思っている人もいる。でも、みんなが楽しい時間を過ごしながら“ドラマ”を作り出すことも可能だと思うんですよ。俳優たちのオーディションで、最終的に40人を選んだ。それまでは全米各地から来るみんなの飛行機代も出せなかったから、自腹で来てもらっていたんですね。それで残った40人のためにニューヨークで、私の仲間やDJを呼んで、ダンスパーティを催したんです。パーティでは、劇中にも登場したボトルを回すゲームを、総勢100名ぐらいでして、全員でイチャイチャしました(笑)」

撮影中、監督は俳優たちの“ホスト”だった 撮影中、監督は俳優たちの“ホスト”だった

──俳優たちを緊張させないために、どんな苦心をされたのですか?

「俳優たちをキリキリと緊張させるまで追い詰める映画監督もいますが、私は製作中、みんなの“ホスト”でいたいと思いました。楽しませるけど、最終的な決定権を持つホストですね(笑)。彼らに言ったことは、“やりたくないことはやらなくていい。ただ、自分自身には挑戦してほしい”ということ。セクシャリティに関しても“観客が持っているセックスに対する恐怖心に挑戦してほしい”とも言いました。もっとセックスシーンを、とりわけゲイ・セックスシーンをカットすれば、より多くの方に見てもらえたかもしれない。でもそれは、(カットすれば)同じ体験ができないと思ったんです。過激なセックス描写を気に入らない方もいるでしょう。でも、セラピー的に見て、何かの役に立つと思うんです。もうセックスを諦めた方や、若い時の苦い経験からセックスを止めた方もいるでしょうから(笑)」

──日本公開用に自ら100カ所ほどボカシを入れたそうですね。どんな思いでした?

ボカシを入れたことで余計に卑猥になってしまったセックスシーン ボカシを入れたことで余計に卑猥になってしまった
セックスシーン

「悲しい思いがしました。でも、(性器を)隠すことで何が起こっているのか、余計に卑猥(ひわい)に見える部分があって、とてもおかしかった。映倫の方が言うには、“ペニスは見せられない”と。でも精子は見せてもいいそうです(笑)。滑稽で奇妙ですよね」

──「ミニー&モスコウィッツ」や「ナッシュビル」を演出面で参考にされたとか。

「ワークショップで演技を高めていく最中に、俳優たちに数々の映画を見せました。ジョン・カサベテス監督の『ミニー&モスコウィッツ』は素晴らしい映画で、トーン(調子)を決めるのに役立ちました。またロバート・アルトマン監督『ナッシュビル』を見せ、“こんな自由な映画もある”と説明し、タペストリー的なアンサンブル劇の見本にしました。イラン映画のモフセン・マフマルバフ監督作品も見せ、プロではない俳優たちの演技によるセミ・ドキュメンタリー的なタッチを学びました。また、是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』を見せ、アンサンブル劇としてのストーリーテリングの参考にしました」

“俳優ジョン・キャメロン・ミッチェル”の復活は? “俳優ジョン・キャメロン・ミッチェル”の復活は?

──たくさん映画をご覧になっていますね。

「ええ、映画をとても愛していますから」

──「ヘドウィグ」であなたのファンになった方も世界中にたくさんいらっしゃいます。カメラの後ろ側に回ってしまって、俳優業に未練はないのですか?

「ヘドウィグ」は俳優としての卒業製作の気分で作ったもので、その後は映画監督・脚本家になろうと決めていましたからね。その決心は揺らぎません。でも、韓国でコンサートをして楽しかったから、もう少し(俳優を)やるかもしれませんが(笑)」

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