ヘアスプレー 特集: アダム・シャンクマン監督インタビュー

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ヘアスプレー

劇場公開日 2007年10月20日
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ヘアスプレー

本作の監督アダム・シャンクマンはもともとダンサーであり振付師でもあった人。つまり踊りというものを身をもって知っている人なのだ。誰もが一緒に歌い出し、踊り出したくなる本作を手掛けた監督に、ミュージカル映画を演出した感想を聞いてみた。(聞き手:若林ゆり

アダム・シャンクマン監督インタビュー
「とにかく純粋に、ミュージカルの魅力を映像で活かしたいと考えたよ」

ミュージカルの楽しさを直球で描いた「ヘアスプレー」ミュージカルの楽しさを直球で描いた「ヘアスプレー」

――これは舞台版ミュージカルの映画化ですが、その元はバッド・テイストの帝王、ジョン・ウォーターズの監督作。今回の映画はスウィートな仕上がりになっていますが、テイストのバランスはどう考えましたか?

本作の振付も自ら手掛けたアダム・シャンクマン監督本作の振付も自ら手掛けた
アダム・シャンクマン監督

「重要なのは、僕がジョン・ウォーターズのオリジナルが大好きで、彼に憧れているってこと。彼はこの映画を見て、『私は世界一誇らしいおじいちゃんだ』と言ってくれたんだ。嬉しかったよ! 同時に、舞台版も熱狂的なファンに支えられている。この作品は人種差別という社会的テーマも大事だが、それをあまり前面に出すと、説教じみたものになってしまうよね。だから僕はむしろキャラクターに焦点を合わせ、彼らの旅を描きたいと思った。これは何より観客を楽しませるエンターテインメントであるべきだと思ったからだ」

――トレイシー役のニッキー・ブロンスキーの魅力が、大きくモノを言っていますね。

「確かに。この役には3000人くらいの応募があって、僕は1100人くらいのテープを見続けていた。太った女の子が歌い踊るやつばっかりをずーっと(笑)。で、彼女のテープを見たとき衝撃が走った。『あ、彼女だ!』ってね。その後、ニッキーと話をして驚いたよ。彼女の世界観、感じ方、自分に対する考え方、家族との関係、そういうすべてが、まさにトレイシーと同じだったんだ。僕のキャリアの中でも、こんなにすごい発見は初めてだし、もう2度とないだろうね。奇跡みたいだ!」

――さらに驚いたのは、ニッキーが踊れてる! ということだったんですが。振付師として見て、いかがでしたか?

最初は全く踊れなかったニッキーが見事なダンサーに変貌最初は全く踊れなかったニッキーが
見事なダンサーに変貌

「そこは面白いところなんだ(笑)。オーディションのとき、彼女は素晴らしくてその熱意に圧倒されたんだが、ちょっと騙されたというか(笑)。リハーサルになって初めて、僕らは彼女が踊れない、ってことに気づいたんだ。その後、1日8時間の猛特訓を2カ月半にわたって受けさせ、なんとか彼女をダンサーに仕立て上げたってわけ。いまでこそ、ニッキーは東京の端から端まで踊り歩けるよ(笑)。必死でがんばった成果さ。確かに彼女はベストダンサーではない。でも、いちばんダンスを愛し、エンジョイしたのは彼女だったんだ」

――近頃、舞台ミュージカルの映画化はブームですが、舞台の映画化を成功させるために必要なことは何だと思いますか?

「舞台は舞台、映画は映画。新鮮な視点で映画を作らなければダメだと思う。映画は舞台とは違うメディアで、観客にまったく違う体験をもたらせるし、表現法も違うから。『シカゴ』の場合、映画版ではトリッキーな構成を使っていて、ミュージカルの世界をロキシーの頭の中のファンタジーとして描いていたよね。この映画ではそういったトリックは使えないから、とにかく純粋に、ミュージカルの魅力を映像で活かしたいと考えたよ」

ミュージカルの魅力をあますことなく伝えるミュージカルの魅力をあますことなく伝える

――この映画には、舞台にも劣らないライブ感と、踊り出したくなるようなハッピー感に満ちています。そういう映像を撮る秘訣は?

「この映画について言えば、その秘訣はね、トレイシーというキャラクターに寄り添って、彼女の視点で映画を物語っている、ということなんだ。トレイシーって子は見るもの、聞くものすべてに心を開いて、全身が喜びに満ちあふれているよね。オープニング曲、『グッドモーニング・ボルティモア』でのドラムビートを、僕らは『トレイシーのハートビート』と呼んでいた。彼女の心臓の鼓動のように喜びを表していて、見ている僕たちにもそれがビンビン伝わってくる(笑)。だから僕は、作曲家にすごく感謝しているんだ。僕はただ、キャラクターと音楽に合ったビジュアルを作ったということなんだよ」

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