怪談 : 新作映画評論

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怪談

劇場公開日 2007年8月4日
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怪談 8月4日より丸の内ピカデリー2ほかにてロードショー

様式的な映像美が見事な中田秀夫監督のベストワーク

画像1(C)2007「怪談」製作委員会

ハリウッドで撮った前作「ザ・リング2」(05)の反動なのか、中田秀夫監督の新作は、同じホラーでも彼にとって初めての時代劇、すなわち純然たる和の世界を描いた1本となった。同じタイトルの映画に、小林正樹監督が小泉八雲の短編を4話オムニバスで映画化した65年の名作がある。内容は違うが、当然あのレベルを射程に入れているだろう。古典的、というよりは、日本の古典が持つ普遍的な強度を現代に蘇えらせる作業。CGはあくまで必要に応じた効果として使われ、様式的な映像美が見事に画面に焼きついた。

その中で語られるのは、ひとりの亡き女(黒木瞳)の強烈なカルマによって、モテモテの美青年(尾上菊之助)が壮絶な女難の地獄めぐりを強いられる様である。原作は三遊亭円朝の落語「真景累ヶ淵」だが、完全に現代でも生々しいラブストーリーだ。受身タイプの優しい男と、彼に引き寄せられるように次々と現れる、ディープな情念を抱えた女たち。愛情のダークサイドである嫉妬が相手を苦しめる、いわばストーカー恋愛。これは怖い!

それでも映画は究極の愛憎を謳い上げ、おぞましくも甘美な余韻を残す。「リング」の第1作目(98)は確かにJホラーの決定的なマスターピースだけど、中田秀夫の現時点ベストワークと呼べるのは、こちらではないだろうか?

森直人

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ABOUT THE MOVIE

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  • 「ザ・リング2」でハリウッド・デビューを果たした中田秀夫監督が、落語家・三遊亭円朝の怪談噺「真景累ケ淵」を映画化。江戸の町で出会った煙草売りの新吉と、三味線の師匠・豊志賀。2人は激しい恋に落ちるが、次第に心がすれ違っていく。ある時、言い争いの末に誤って顔に深い傷を負ってしまった豊志賀は、「この後女房を持てば、必ずやとり殺す」と書き残してこの世を去る。そして、残された新吉と彼を取り巻く女たちの運命は、想像もつかない方向へ……。
  • 監督:
    中田秀夫
    脚本:
    奥寺佐渡子
    製作:
    一瀬隆重
    原作:
    三遊亭円朝
    撮影:
    林淳一郎
    音楽:
    川井憲次
    出演:
    尾上菊之助、黒木瞳、井上真央、麻生久美子、木村多江、津川雅彦、瀬戸朝香
    2007年日本映画/1時間59分
    配給:
    松竹、ザナドゥー
  • 8月4日より丸の内ピカデリー2ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007「怪談」製作委員会

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