フランドル : 新作映画評論

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フランドル

劇場公開日 2007年4月28日
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フランドル 4月28日よりユーロスペースにてロードショー

主人公たちはストーリーから離れ、風景と結びついてゆく

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デュモンがこれまで監督してきた「ジーザスの日々」「ユマニテ」「Twentynine Palms」には、快楽を貪るセックスがあり、レイプがあり、殺人があった。彼は、画家のように同じモチーフを使い、衝動や欲望に駆り立てられていく孤独な肉体を冷徹に見つめ、その向こうに不可視なものをとらえようとする。

新作「フランドル」でもそのモチーフに変わりはないが、デュモンの感性はさらに研ぎ澄まされ、独自の表現が際立っている。少女バルブは、男たちを次々に受け入れていく。戦場に向かったデメステルと彼の仲間たちは、まだ幼さの残る少年も殺し、女兵士を集団でレイプする。この映画では、フランドル地方と戦場というふたつの空間が対置され、デメステルとバルブの世界や体験が呼応していく。その構造は、主人公たちをこれまで以上にストーリーの枠組みから自由にすると同時に、彼らと風景をいっそう密接に結びつけていく。

それぞれに死と狂気の瀬戸際に立たされ、再会したデメステルとバルブは、ただ風景のなかにある。その未来は完全に彼らに委ねられている。ふたりは、以前と同じように孤独な肉体を生きることもできる。だからこそ、彼らの肉体から罪の意識や愛が湧き上がる神秘的な瞬間が、鮮烈な印象を残すのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • フランドル 画像2
  • フランドル
  • 人間のあらゆる罪を受け止めるかのように男たちと体を重ねる少女の姿を描き、カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞した衝撃作。監督は「ユマニテ」でも同賞に輝いたブリュノ・デュモン。フランドル地方で暮らす少女バルブは、複数の男たちと関係を持つ。彼女に強い想いを抱くデメステルもその内の1人だった。やがて他の男たちと戦場に赴いた彼は、そこであらゆる罪を犯していく。それに呼応するかのように、バルブの精神は異常を来たし始める。
  • 原題:
    Flandres
    監督:
    ブリュノ・デュモン
    製作:
    ジャン・ブレア、ラシッド・ブシャレブ
    撮影:
    イブ・カペ
    音楽:
    フィリップ・ルクール
    出演:
    アドレイド・ルルー、サミュエル・ボワダン、アンリ・クレテル
    製作国:
    2005年フランス映画
    上映時間:
    1時間31分
    配給:
    アルバトロス
  • 4月28日よりユーロスペースにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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