クィーン : 新作映画評論

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新作映画評論

クィーン クィーン 2007年4月14日より、シャンテ シネにてロードショー

英国をより深く理解したい人には打ってつけ

画像1(C)2006 GRANADA SCREEN (2005) LTD/
PATHE RENN PRODUCTION SAS/BIM DISTRIBUZIONE

派手な見出しに釣られて東スポを買ったら、中身は朝日新聞だった――。本作品はそれ位、良い意味で裏切ってくれる。“ダイアナ元妃の事故”が題材だが、描かれているのはスキャンダラスな事故の真相ではない。王室初の試み、元ロイヤルファミリーの国葬を営むことになった彼らの混乱ぶりだ。これは、立派な英国史である。その視点が新鮮だ。

振り返ればダイアナ妃誕生以来、女王は憎まれ役としてダイアナ版「シンデレラ物語」に存在していた。だが、しばし規定外の行動を起こす嫁に頭を抱える姑の気持ち、いや、50年以上も英国を司ってきた女王の立場を考えた事はあっただろうか。王室の伝統を頑なに守ろうとし、かつ、国民に動揺する姿を見せまいと苦悩する。当然、女王の胸の内はフィクションだが、緻密なリサーチを基に書かれた脚本とヘレン・ミレンの威厳ある演技が説得力あり。すっかり女王に共感し、ダイアナ元妃の見方まで変わってしまいそうだ。

それにしても、英国王室と言えばタブロイド紙の格好のネタだが、映画にまでしてしまうとはその勇気に恐れ入る。だが、決して王室に対する尊敬の念は忘れない。立憲君主制を執るお国柄はもちろん、そんな国民性までもがまるわかり。英国をより深く理解したい人には打ってつけの作品である。

中山治美

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  • クィーン
  • ダイアナ元皇太子妃が交通事故で急逝した直後のイギリス王室の内幕を描いた作品。かねてからダイアナとの不仲説が噂され、事故後も沈黙を貫き通そうとするエリザベス女王に、国民は次第に不満を募らせはじめる。そんな中、就任したばかりの首相トニー・ブレアが王室と国民の和解に奔走する。ひとりの人間として苦悩するエリザベス女王を見事に演じたヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめ多くの映画賞で主演女優賞に輝いた。
  • 原題:
    The Queen
    監督:
    スティーブン・フリアーズ
    製作総指揮:
    フランソワ・イベルネル、キャメロン・マクラッケン、スコット・ルーディン
    製作:
    アンディ・ハリース、クリスティーン・ランガン、トレイシー・シーウォード
    撮影:
    アフォンソ・ビアト
    音楽:
    アレクサンドル・デプラ
    出演:
    ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロムウェル、シルビア・シムズ、アレックス・ジェニングス、ヘレン・マックロリー、ロジャー・アラム、ティム・マクマラン
    2006年イギリス・フランス・イタリア合作映画/1時間44分
    配給:
    エイベックス・エンタテインメント
  • 2007年4月14日より、シャンテ シネにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2006 GRANADA SCREEN (2005) LTD. PATHE RENN PRODUCTION SAS/BIM DISTRIBUZIONE

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