劇場公開日 2007年4月7日

「運だめしと言うには過酷な死のサバイバル・ゲーム」13 ザメッティ みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0運だめしと言うには過酷な死のサバイバル・ゲーム

2016年3月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

一夜にして大金を得る為に、自分の命を賭ける13人の男たちを、陰影のあるモノクロ映像で描いた本作だが、同じフランス映画であるアンリ=ジョルジュ・クルゾー監督の傑作の誉れ高い『恐怖の報酬』の事をふと思い出した。
『恐怖の報酬』も大金に目が眩んだ男たちが、トラックで爆発物のニトロを運搬する緊張感が、手に汗を握るほどに真に迫って来た。いかにもフランス映画らしい言いようのない辛辣で後口の悪い幕切れも共通している。
ただし、こちらはロシアンルーレットを題材にした仕掛けだけで、最後まで一気に見せてしまう。
もう室内劇と言ってしまっても構わないような地味なサスペンスであるが、優れたアイデア次第で面白い映画を作れることを実証してみせた。
プレイヤーたちの後頭部に銃口を突きつけられる死の恐怖と生への渇望が、観客をリアルな暗黒の世界へと引きずり込んで止まない。

みつまる。