ラストタンゴ・イン・パリ

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劇場公開日:

ラストタンゴ・イン・パリ

解説

イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチが1972年に手がけ、公開当時、大きなセンセーションを巻き起こした一作。ベルトルッチの名を世界に広め、同監督のフィルモグラフィーを代表する一作でもあり、アカデミー賞にもノミネートされた。ある冬の日、中年男のポールはアパートの空き室で偶然出会った若い女性ジャンヌを衝動的に犯し、その後、2人は何事もなかったように別れる。ジャンヌには婚約者がいたが、再びポールとアパートで逢瀬を重ねてしまう。そして、やがて2人は悲劇的な結末を迎えることになる。妻が自殺したことで人生に絶望していた中年男ポールをマーロン・ブランド、ジャンヌ役を当時フランスの新進女優だったマリア・シュナイダーが演じた。過激で生々しい性愛描写が世界中で議論を巻き起こし、ベルトルッチの故国イタリアでは上映禁止処分になったほか、アメリカなどでは一部がカットされた。後年、劇中のレイプシーンがシュナイダーの合意なしに撮影されたと明かされ、波紋を広げた。2018年11月にベルトルッチ監督が死去したことを受け、追悼企画として19年3月に4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1972年製作/129分/R18+/イタリア・フランス合作
原題:Last Tango in Paris
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2019年3月16日

その他の公開日:1973年6月23日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第31回 ゴールデングローブ賞(1974年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 ベルナルド・ベルトルッチ
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(C)1972 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

映画レビュー

3.5エロスは芸術であり、ポルノは商業である。果たして?本作は・・

2024年2月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

寝られる

映画が芸術か?商業か?てのは、難しい案件だ・・。
同様に、本作が→芸術か?商業か?てのも、またこれ難しい問題だ。
50年前の作品だけど、瑞々しい・・。

『さよならミスワイコフ』や『愛のコリーダ』を思わせる(勝手に俺が思ってた)本作。
南部アメリカや?東京と違い?パリが舞台なので、何と無く成立してしまっては、いる。
『空気人形』とか『フィギアなあなた』は、この場合どの部類に入るのだろう?

話し、逸れた・・。

空き部屋を見に来たオッさんと婚約者の居る(今で言う彼氏の近くに居て欲しくない女)若い女が、ヤる。
それだけの映画・・。
ストーリー的には、支離滅裂の荒唐無稽。
でも?
何だか成立しちゃうんだよなぁ、パリだから?

Wアレン監督作品やMベルッチ出演作品が好きな俺的に・・
『それでも恋するバルセロナ』や『レイニーデイインニューヨーク』も見たくなったかなぁ・・。

↑↑↑に上げた作品は、ひょっとしたら?全て本作の影響を受けているのかも?

50年前に、いわゆる今のNTR系作品の走りを撮ってたベルトリッチ監督、恐るべし(笑)

ーーー

EべアールにSマルソー、フランス人と日本人だけが、いわゆる童顔巨乳を好きなんよなぁ・・。

レビューでも何でもない走り書きになっちゃったけど、エロス?ポルノ?
どちらなのかは?見て、各自で判断してみてくれヽ(`・ω・´)つ

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えびかに伯爵/二世

4.5公開当時は理解不能ゆえ嫌悪したが、自らの歳が進むにつれて何か分かって来たような….

2023年11月23日
PCから投稿

女に対して尊大に振る舞い、強引かつ威圧的と言える強い態度で自らの欲望のままに従わせる中年男。

それに対して、何か謎めいた見ず知らずの粗野で強引な男に魅力を抱くようになってしまった自身にあがなう事が出来ず、堕落的な性行為を続ける関係を持ってしまう若い女。

しかし、互いが相手に対して自らが求めた勝手な幻想の中にいたに過ぎなかった、実際には“ただのくたびれた中年男”と“未熟で世間知らずだが若い女”であるに過ぎない両者の妄想が解け、互いの“本当の姿”が見えて正気に返った瞬間、求める側と求められる側のの立場は逆転する時を迎える。

本当は“何も有りはしない”中年男なのに、その不敵で尊大な態度で、自らの性的欲求だけを強引に求める姿に、自分の知らない“何か”を持ち合わせた謎めいた魅力を持った年上男性と(勝手な)錯覚を抱いた女がその幻想が解けたら、目の前に居るのが「ただの(虚勢をはった)落ちぶれ中年」に過ぎなかった事が見えてきた。
その両者の主従の立ち位置の入れ替わりの顛末から起こる悲劇。

まあ、年齢も離れていて、自分の知らない世界を知っているかのように思える未知の相手に対して、自らに都合の良い幻想を抱いてしまい、その後、また自ら失望を起こして夢から覚める。
有りそうな事です。(特に、世間知らずだったりする若い女性に??)

しかし、何れにせよ“相手あっての事”、行き違い(勘違い?)は取り返しのつかない結果を招く。

公開当時は、監督の意向により主演の二人が演技では無い本当のセックスを行う事を求められ、実際にそれに応じて映像に収められているという事でセンセーショナルを巻き起こし、各国で上映禁止や規制がかかったという問題作。(後年になって、監督が”疑似であった”と釈明するハメに。)

ブランド氏はそれが発覚した事で当時の夫人から三行半を突きつけられ、リアルに取り返しのつかない代償を払うハメになりましたとさ。
シュナイダーも後日、この時の判断を「監督に乗せられてしまった」といたく後悔したとか。

一番満足したのはこのようなトンデモ作の撮影が叶った“監督さん”でした、というのがオチでしょう。

因みに、他に「本当にしちゃってる」映画にスコセッシ監督の『明日に処刑を…』が有りますけどね。

主演のキャラダイン氏とハーシーでしちゃってるのは、映画の為というより、当時二人がそのような関係にあった事で“ノリでしちゃった”みたいな?
まったくもう、とんでも無い人たちです。
キャラダイン氏はまた“倒錯プレー”みたいのがとてもお好きだったようで、自らの最後もお一人でその行為に励んでた最中の“アクシデント”によっての昇天だったそうな…..(ある意味シアワセな方です)

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アンディ・ロビンソン

4.0なかなかおそろしい映画

2022年7月21日
Androidアプリから投稿

結末に至ってみれば、これはおそろしい映画だと感じた。人間の心理の複雑さ、人生の本質、都会の恐ろしさ、のようなもの。

人生を他者依存で自堕落に過ごせば、それなりのラストが待っているのだよ、と嫌でもinputされてしまう。
持って生まれたルックスでなんとかやってこられても、若いうちにしか通用しない。
ごまかしてかっこいい舞台を作ってってみても、所詮は仮想空間に過ぎない。素朴な自分に立ち戻ってリアルに掴もうとしたとき、それはあっという間に掌からこぼれていく。大人でありながらそんなこともわかっていなかった未熟さ。
もともと彼には何もなかった。都会という柔軟性のある環境下、ルックスとセンスで過分にいい目を見た分、痛いしっぺ返しを喰らう。

題名が説得力を持ってくる。

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あま・おと

4.0絶望の中で最後の悪あがきをする男の哀れ

2021年12月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

リバイバルでみた「波止場」や「欲望という名の電車」のマーロンブランドを名優だとずっと思っていた
この映画に出ている自体がスキャンダルそのもの
何故にこんなヨーロッパまででかせぎしなきゃならないと、公開当時思ってしまった
さすがにフランス映画、すかっと見終わるはずもなく
一筋縄ではいかない内容
妻が死んだことで、主人公のポールの生も終わってしまっている。生きる気力もないまま、たまたま出会ってしまった若い女ジャンヌと汚いアパートの一室で、現実逃避する。まだ人生経験も浅いジャンヌには、このうらぶれた中年男がミステリアスで、刺激的な男に見えてしまった。
ポールの本性は大人の男と呼ぶには程遠い、俗世にまみれた幼稚な中年に過ぎない
素性はもちろん名前すら明かさない状況が、妄想を膨らませ、想像力を刺激して当人をことのほか過大評価する。快楽だけを求めているならそれで充分だろうけれど、そんなことが長く続くわけがない。互いに仮面を着けて遊んでいるだけだから
その仮面が耐えられなくなって、男から去っていった「ナインハーフ」という映画もあった

ポールのつまらない人間性と中年男の哀れがラストに弾ける。女はいつでも現実的で、冷淡に変貌するのも知らないで…
この映画に出演したことでマリアシュナイダーの人生は変わってしまったといわれている。彼女の苦しみに同情しながらも、この映画が好きなのに変わりない

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ウチレオ