飛べ!フェニックス

解説

 石油会社の輸送機が砂嵐に遭遇し、砂漠の真っ只中に不時着する。操縦士フランクと航空士ルーは脱出策を練るが、見通しは立たず、犠牲者も相次ぐ。そんな中、航空技師ハインリッヒが壊れた機を新たな単発機に改造し、飛び立つことを提案。生存者たちはフェニックス号と名づけた改造機に全てを託す! 男たちの決死のサバイバルを描くアドベンチャー・ロマン。2004年にリメイク作「フライト・オブ・フェニックス」も製作された。

1965年製作/142分/アメリカ
原題:The Flight of the Phoenix

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第23回 ゴールデングローブ賞(1966年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀助演男優賞 ハーディ・クリューガー
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映画レビュー

3.5アルドリッチの力作

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

ロバート・アルドリッチ本領の男性社会劇。機長のジェームズ・スチュアート、設計士のハーディ・クリューガー、大尉のピーター・フィンチ、助手のリチャード・アッテンボローの四画関係の線の太さ。善悪がない世界の精神的な対立を冷静に捉えた演出は、アクション派アルドリッチとしては異色の力作。

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Gustav

4.0企業再建の物語としても観れる面白さ

2018年11月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

なかなかに面白いので、テレビの映画番組の常連作品としても有名
一種の密室劇となって、それぞれの登場人物の個性のぶつかりあいが見所となる
改めて観ると成る程、ロバート・アルドリッチ監督が好きそうな個性的な俳優ばかり
ジェームズスチュワートの老パイロットの演技はさすが
またその相方役のルー航法士役のリチャード・アッテンボローが好演している

終盤の急造飛行機のエンジンがかかり、砂漠を滑走し出すシーンは手に汗を握り、飛び立った時のカタルシスはものすごいものがある

本作は飛行機物のジャンルとして扱われることが多いが、実は企業再建物語として観れば、誰しも身近に感じられる物語になっている
そこが本作が何度もテレビ放映される程愛される秘密だろう

機長は倒産寸前の会社の老害社長
航法士は人柄はいいが仕事はいまいちな専務
大尉はイケイケドンドンだけの営業担当常務
軍曹はその無能部下
飛行機技師はくそ生意気な転職してきたばかりの若手経理課長で大胆なリストラを提案する
そんな具合に見て行けば身近に感じる事ばかりで誰しも感情移入できるのだ

フェニックス、不死鳥
そのものズバリのタイトルだが、この文脈で観ればこのネミーングがさらに深みが出るのだ

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あき240

5.0飛行機映画の傑作!!

2013年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

何で最近の映画って、なんでもかんでも言葉で説明しようとするのか…。説明過多でイライラする。

それにひきかえアルドリッチ!
無駄な台詞、無駄なショットが一つもないっ!!

この映画も14人の登場人物のバックグラウンドを最初の10分弱で巧いこと観客に判らせてくれる。
アルドリッチの演出の巧さだけではなく、俳優も飛び抜けてイイ!!
ハウメニいい顔の男たちが勢揃い。顔は男の年輪だあー。顔に深く刻まれたシワが物語るそれぞれの背景、歴史。
なんという存在感そして説得力。最初の10分で観客はこのドラマに深く取り込まれる。

砂漠に不時着した双発双胴機。機体は半壊し動かない。飛行ルートからはずれ助けが来る見込みもない。乗員の飲料水も残りわずか。さあ、どうする?どうなる!?極限に追い込まれた男たちのドラマ。

生き延びるのかどうなのか?そのサバイバルなストーリーを追うだけで充分面白い。
それだけでなく、バックグラウンドも様々な男たちをどうやってまとめていくか?…という部分もあり、中間管理職のお父さんたちも必見の人間ドラマだったりもする。

機長(ジェームズ・ステュアート)や設計技師?(ハーディ・クリューガー)といった主役級の人物も勿論イイのだが、個人的にはワトソン軍曹という超小物の脇役の心情がなんつうか痛ましくてねえ。観客にいろんな見方をさせてくれるアルドリッチの度量の広さがイイ!!

サバイバルに胸を躍らせるもよし、人間ドラマに涙するもよし、アルドリッチ映画の傑作!!

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小二郎
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