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「ディアハンター」ベトナム物としてはどうなんだろうと思いますが、青春映画の傑作だと思ってます。みなさんはこの映画をどのように評価していますか?好きな方もアンチな方もご意見聞かせて下さい。
質問日時: 2009/11/03 13:54:35
解決日時: 2009/11/08 16:59:04
「ディアハンター」はとかくベトナム戦争の善悪をテーマとして論評されることが多いですが、極限状態にさらされた人間が表わす狂気・本性を描いた作品だと解釈しています。ベトナム戦争というゆがんだ世界、そして捕虜生活の中で強制されるロシアンルーレットという死ぎりぎりの緊迫感。その中でクリストファー・ウォーケン演じるニックは死と隣接する狂気に蝕まれていき、無事帰還できたデ・ニーロ演じるマイケルも以前のように人と接することができず、メリル・ストリープと抱き合うことでその傷を埋めあおうとする。映画のタイトルにあるハンターに狙われる鹿はまさに彼らのことであり、死神のごとく近づいてくるハンターに対し彼らはおののき逃げ惑うことしかできない。それはベトナム戦争という時代のうねりに巻き込まれた運命そのもののように。ロシアンルーレットという残虐な描写についてはベトナム政府から「そのような残酷な行為はなかった」と正式な苦情がきたと聞いています。このシーンがあまりにも強烈なので激しい戦争映画というイメージがつきまといますが、意外に戦闘シーンはほとんどなく、悲痛な青春群像としての作品としてよく仕上がってると思います。最初の結婚式のシーンで花嫁がこぼさずにワインを飲み干せば幸せになる、という儀式の中で気付かぬ間にわずかにこぼれたワインがこれから彼らに起こる悲劇を象徴しており、ものすごく印象的です。白いドレスにこぼれる赤いワインはそのまま処女喪失を彷彿させ、彼らの青春が汚れ、狂っていくアレゴリーにもなっています。監督はマイケル・チミノで、前半の長ったらしい結婚式のシーンが表わすように完璧主義者として有名です。完璧主義が行き過ぎてしまって、その後の作品「天国の門」では4時間以上の難解な長編になってしまい、あまりの高予算を回収できず映画会社が一件ぽしゃったのは有名な話です。しかしこの「ディアハンター」はほんとに良くできていると思います。狂気に蝕まれ死を求めるように、または生きている実感を得るためにロシアンルーレットに自らの命を賭けつづけるクリストファー・ウォーケンと彼を救おうとするデ・ニーロの姿には友情と悲痛が同時に伝わってきます。劇中の音「「カヴァティーナ」も叙情的ですばらしいですね。
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