ベクシル/2077日本鎖国 : 曽利文彦監督インタビュー:情報だけでつながる人間関係の危うさ

掲載作品数22610

映画のことなら eiga.com エイガ・ドット・コム

ヴェロニカ・マーズ

注目映画特集

ベクシル/2077日本鎖国 ベクシル/2077日本鎖国

「ピンポン」の曽利文彦監督が、モーションキャプチャーを取り入れた革新的な3Dライブアニメ「アップルシード」のプロデュースを経て、今度は自身の手で新たな3Dアニメ「ベクシル 2077日本鎖国」を完成させた。黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子ら豪華キャストも話題の本作について、常に進化を遂げる映像表現へのこだわりや、伝えたかった思いなどを語ってもらった。(聞き手:編集部)

曽利文彦監督インタビュー

革新的な映像が世界から注目を集める「ベクシル」革新的な映像が世界から注目を集める「ベクシル」

■情報だけでつながる人間関係に危うさを感じる

――ロボット技術の発展した日本が、その技術力を世界から危険視された結果、“鎖国”という道を選択する。とても大胆で面白い設定だと思いました。

5年ぶりの監督作を手掛けた
曽利文彦監督5年ぶりの監督作を手掛けた
曽利文彦監督

「もともとコミュニケーションが不足してきているということが、話の原点にあったんです。現代は人と人が直接コミュニケーションをとるのが大変になってきて、メールやケータイといったテクノロジーがそれをサポートしてる。“情報だけでつながる人間関係”みたいな社会構造が加速しているわけで、もし情報が遮断されると、個人が孤立してしまう。それが“個人の鎖国”という発想となり、鎖国と言えば国を閉じることだから、そこから今回の設定に広がっていったんです」

――テクノロジーの進歩に対する警笛のようなメッセージをこめたつもりはありますか? 現実社会でも、クローン技術が問題になっていたりしますが。

「テクノロジーの進歩そのものは、いろいろな利点をもたらすと思うんですが、そのために人が集団で生きていくことのバランスを失い始めると危険だという思いはありますね。発達したテクノロジーの良いところをいかにきちんと扱い、悪いところをフォローするかというのが重要で。ただ、そうしたことを考えていて、どうしても戻ってしまうのが、先ほど述べたコミュニケーションについてなんです。情報だけでつながる人間関係というのが、いろんなところでバランスを崩していきそうな気がします」

■本物以上にリアルに見せてしまう、飛躍した技術力

――技術的な部分では「アップルシード」に比べて人物の描写が豊かになった気がしました。陰影の細かさなどで、表情が豊かになったというか。

人物の表情もより豊かに、リアリティのあるものになった人物の表情もより豊かに、リアリティのあるものになった

「『アップルシード』の頃に比べると、表情や顔の動きという部分に関して、技術が飛躍的に進歩しました。その技術を最大限に利用すると、逆に本物の人間以上に動いてしまうので、そのさじ加減が難しいというのはありましたね。動きすぎて困るというのは不思議な話ですけど(笑)。また、衣裳なんかも『アップルシード』と全く違って、折り目ひとつ、皺ひとつまで描けるようになり、人物の動きがある程度リアルなので、細かい皺なんかには気を配りました」

――アクションシーンはある程度勢いで乗り切れると思いますが、逆に抑制されたシーンが難しいのでは?

「おっしゃる通り、アクションシーンに関しては、少々絵が粗くても迫力で押し切れると思うんですけど、今回はいかにキャラクターがきちっと芝居ができるかというところが力を入れたところでもあり、それが可能であるからこそ、自分で監督しようと思ったんです。セリフのあるところは声優さんに助けられてる部分も多いと思いますが、顔や雰囲気だけでお芝居するところは、その演技を作るのが特に大変でしたね」

>>次のページへ

ブックマーク: この記事をYahoo!ブックマークに登録する この記事をはてなブックマークに追加する この記事をlivedoorクリップに登録する この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をnewsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • ベクシル/2077日本鎖国 画像4
  • ベクシル/2077日本鎖国
  • 2067年、バイオテクノロジーとロボット技術の急激な発達が世界から危険視された日本は、ハイテク技術を駆使して鎖国を断行。それから10年後の2077年、米国特殊部隊所属のベクシルは、鎖国以後、誰も足を踏み入れたことのなかった日本への潜入に成功するが……。「ピンポン」の曽利文彦監督が、モーションキャプチャーを駆使して描く3DCGアニメーション。本作で声優初挑戦となる黒木メイサがヒロインの声を担当。
  • 監督:
    曽利文彦
    脚本:
    半田はるか、曽利文彦
    音楽:
    ポール・オークンフォールド
    出演:
    黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子、大塚明夫、櫻井孝宏、森川智之、柿原徹也
    2007年日本映画/1時間49分
    配給:
    松竹
  • 8月18日より丸の内プラゼールほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007「ベクシル」製作委員会

ベクシル/2077日本鎖国

  1. 作品ページ
  2. 映画レビュー
  3. 注目特集
  4. 映画評論
  5. 動画・予告編
  6. フォトギャラリー
  7. 映画館検索

- PR -

ユナイテッド・シネマ

コンテンツ

過去の注目映画特集

リアルタイム投票受付中

エイガこみゅ

ガイド

必見!注目作特集 メガヒット確実の話題作、編集部がおすすめするカルト作などを、eiga.com的な切り口で解説。今、もっとも観るべき映画を多角的にご紹介します。毎月1日、15日更新。

読み込み中...
© eiga.com inc. All rights reserved.