劇場公開日 2008年1月19日

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28週後... : 特集

2008年1月7日更新

ロンドンを舞台に、新種のウィルスの感染から免れた主人公が、絶望的な状況の中を生き延びていく様をスタイリッシュに描いた「28日後...」(02)。タイトルが示す通り、ウィルス発生から28日後を描いた前作に続き、今度は28週後を舞台にしたシリーズ第2弾「28週後...」がやってくる。かすかな希望を残して終わったかに見えた前作だが、その先に何が起こるのか……? また、今回は特別に本編映像の一部を配信中! あわせてお楽しみあれ。

「28週後...」が凡百のゾンビ映画と違う7つの理由

前作はいわゆる“ゾンビ映画”の系譜に属する作品だったが、ホラーファン以外にも評価されてヒット。その続編である本作もまた、単なるゾンビ映画とは違う、スタイリッシュでドラマティックな1作に仕上がっている。その理由とは――。

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【その1】:ヨーロッパ・テイストである!
舞台はイギリス、監督はスペイン出身だから、健全指向のハリウッドとはちょっと違う

荒廃したロンドンの街並みが現実感を増幅
荒廃したロンドンの街並みが現実感を増幅

ドラマの舞台は前作「28日後...」と同じ英国。実際にテムズ川北部のアイル・オブ・ドッグスを中心に、トラファルガー広場、リージェント公園などでロケ撮影したリアルな英国を舞台にドラマが進展していく。また、監督はスペイン出身のファン・カルロス・フレスナディージョ。異色サスペンス「10億分の1の男」でスペインの映画賞ゴヤ賞の新人監督賞を受賞した彼が、クールでスタイリッシュな映像を展開。舞台、映像ともにヨーロッパ・テイスト満載なのだ。

そして物語もヨーロッパ・テイスト。ハリウッドでは実現が難しいダークなストーリーが描けたのは、英国製作だからこそ。

【その2】:ダニー・ボイルがプロデュース!
「トレインスポッティング」のボイル製作だからスタイリッシュ!ロバート・カーライルが熱演!

映画ファンにはおなじみのロバート・カーライルが熱演
映画ファンにはおなじみのロバート・カーライルが熱演

前作「28日後...」を監督したダニー・ボイルが本作の製作総指揮を担当。ボイルといえば、監督作「トレインスポッティング」で英国の若者群像を当時全盛期だったクラブ・カルチャーを交えて描き、世界中で大ヒットさせた経歴の持ち主。

そして、この映画でユアン・マクレガーとロバート・カーライルがブレイク、ハリウッドへの進出を果たした。そのカーライルが本作の中心人物役で、ボイルとタッグ。妻を失った傷心の夫、子供たちを気遣う父、そして執拗に子供たちを追う凶暴なゾンビといういくつもの顔を熱演する。

【その3】:ドキュメンタリー・タッチで描写!
手持ちカメラと登場人物目線の映像で臨場感抜群!

臨場感に満ちた映像も見どころ
臨場感に満ちた映像も見どころ

フレスナディージョ監督がこだわったのは、この映画を<ドキュメンタリー・タッチ>で描くこと。そこで手持ちカメラで撮影した手ぶれを活かした映像を多用、まるで「ボーン・アルティメイタム」のホラー・サスペンス版のような臨場感溢れる映像を実現。

さらに、電気の通っていない暗闇の地下鉄線路を赤外線スコープを覗きながら歩く女性の主観映像や、自動小銃の照準を除く兵士の主観映像など、登場人物の主観映像が効果的に使われ、ドラマの臨場感をさらに盛り上げる。

【その4】:「抗体」という設定がリアル!
ゾンビの原因はウィルス。抗体を巡るドラマがリアルに展開!

過去のゾンビ映画はゾンビになった原因が不明なものが大多数だったが、前作「28日後...」では人類ゾンビ化の原因を明確化。原因はウィルスで、感染者が嘔吐した血液との接触で感染、20秒以内に発病するという設定が明らかにされた。そこで本作ではこの設定をさらに推し進め、そのウィルスの「抗体」を持つ人間がいて、感染しても発病しないとしたら……というドラマが展開。そのために起こる悲劇や、抗体を使ったワクチン開発を巡るドラマなどがリアルに描かれていく。

【その5】:世界滅亡の後の世界を描く
舞台は<ゾンビ全盛期>ではなく<ゾンビ全盛期の28週間後>。やっと生き延びた後で、人類を襲う恐怖とは?

助けに来たはずの軍隊すら敵になってしまう
助けに来たはずの軍隊すら敵になってしまう

これまでのゾンビ映画は、突如として大量発生したゾンビからいかに生き延びるかを描くものが多いが、本作が新しいのは、生き延びたその後を描いているところ。ウィルス発生の5週間後に最後の感染者が死亡。11週間後に米軍主導のNATO軍が英国にやってきて事態の鎮圧に当たり、24週間後に英国の復興計画が開始され、その4週間後から本作は始まる。

しかし、やってきた軍隊に“コード・レッド”と呼ばれる緊急事態が発令され、誰が感染者かわからない場合は全員を射殺するという命令が下される(“コード・レッド”発令により緊迫する場面を動画配信中!)。ゾンビだけでなく、同じ人間すらも敵になってしまう……ゾンビから生き延びてもハッピーエンドではないことを描いていく。過去の行為への後悔、喪失感、未だ残る恐怖――壊滅的な被害の後、人々はどのような苦悩に襲われ、どうやって生きていくのか。9・11の後ならではのドラマが描かれていく。

【その6】:新鮮なヒロインがかわいい!
ホラー映画のマスト・アイテムは注目の新人女優。イモージェン・プーツが登場!

ただ泣き叫ぶだけではなく、自ら戦うヒロインに
ただ泣き叫ぶだけではなく、自ら戦うヒロインに

「テキサス・チェーンソー」でジェシカ・ビールが、「ドーン・オブ・ザ・デッド」でサラ・ポーリーがブレイクしたように、ホラー映画は新鮮な美人女優が登場するのがお約束。本作もそのお約束通りに、ロンドン生まれの18歳、イモージェン・プーツが登場! 「Vフォー・ヴェンデッタ」で主演ナタリー・ポートマンが扮するヴァレリーの少女時代を演じて映画デビューした彼女が、キュートなティーンに成長。この頃のホラー・ヒロイン同様、イモージェンが演じるのも戦うヒロイン。幼い弟を守るため、ゾンビたちと戦う姉を熱演する。

【その7】:海外の一流新聞がこぞって賞讃!
「ニューヨーク・タイムス」「ワシントン・ポスト」「シカゴ・トリビューン」などが大絶賛!

普通のゾンビ映画はホラー系雑誌にはウケても、一般雑誌や大新聞には相手にされないのが普通。ところが本作は、全米の一流新聞が絶賛の映画評を掲載しているのが他のゾンビ映画とは違うところ。「この映画には気味の悪い恐怖だけでなく、エモーショナルな衝撃と痛烈な風刺が描かれている」(ニューヨーク・タイムス紙)、「この映画のゾンビたちの中に、観客は自分たちのもっとも嫌悪する部分を見ることになる」(ワシントン・ポスト紙)などと、ただのホラー映画に終わらないドラマが高く評価されているのだ。

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