レミーのおいしいレストラン : 新作映画評論

掲載作品数22610

映画のことなら eiga.com エイガ・ドット・コム

ヴェロニカ・マーズ

新作映画評論

レミーのおいしいレストラン レミーのおいしいレストラン 7月28日より日劇3ほかにてロードショー

CGのタブーに挑み、リッチな質感を表現した傑作

画像1(C) WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS.
ALL RIGHTS RESERVED

かつてCG界では、食事シーンは一種のタブーとなっていた。それは食品のシズル感(おいしそうな質感)表現や、弾力、粘性、破断、接触判定などの物理的要素が複雑すぎて、技術的に非常に難しかったからである。それに最初に挑戦したのは「シュレック2」だったが、あくまでも一要素に過ぎなかった。だが本作は、全編に渡って料理がテーマとなっており、普通なら確実にボツにされる企画だろう。でもそれを見事にやり遂げ、とんでもない傑作に仕上げてしまう所に、今のピクサーのスゴさがある。正直、本当に生唾を飲み込む場面もあったほどだ。味覚や食感を、言葉に頼らず視覚的表現だけで表すシーンもあり、日本のグルメコミックが見習う点も多いと言える。

また料理の描写だけでなく、画面全体の雰囲気も魅力だ。ウォームカラーやタッチライトを活かした照明、浅い被写界深度、優雅に舞うようなカメラワークなど、まるで一流の撮影監督(例えばビットリオ・ストラーロとか)が撮ったような、リッチな質感の映像になっている。これはCGが、現実世界をシミュレーションすることから一歩踏み出し、“映画として”優れたツールになり得たことを意味している。
 
 “映画として”という意味ではストーリーも見事だ。アメリカアニメで定番の「父と息子の和解」というテーマはキッチリおさえつつ、フランス映画的な恋の要素も入れて、一流のコメディに仕上げている。最後に登場する「正しい評論とはどうあるべきか」というメッセージは耳が痛いが。

大口孝之

ブックマーク: この記事をYahoo!ブックマークに登録する この記事をはてなブックマークに追加する この記事をlivedoorクリップに登録する この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をnewsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • レミーのおいしいレストラン 画像2
  • レミーのおいしいレストラン
  • 「アイアン・ジャイアント」「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード監督によるディズニー/ピクサーの最新作。パリの5つ星レストラン“グストー”を舞台に、料理が苦手な見習いシェフのリングイニと、“グストー”に流れ着いた料理が得意なネズミ、レミーの友情と成長を描く。声の出演にはパットン・オズワルト、ルー・ロマーノの他、イアン・ホルム、ブライアン・デネヒー、ピーター・オトゥールら名優が名を連ねる。
  • 原題:
    Ratatouille
    監督・脚本:
    ブラッド・バード
    製作総指揮:
    ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン
    音楽:
    マイケル・ジアッキノ
    出演:
    パットン・オズワルト、ルー・ロマーノ、イアン・ホルム、ジャニーン・ガロファロ、ブラッド・ギャレット、ピーター・オトゥール、ピーター・ソーン、ブライアン・デネヒー
    2007年アメリカ映画/1時間50分
    配給:
    ディズニー
  • 7月28日より日劇3ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS ALL RIGHTS RESERVED

レミーのおいしいレストラン

  1. 作品ページ
  2. 映画レビュー
  3. 注目特集
  4. 映画評論
  5. 動画・予告編
  6. フォトギャラリー
  7. 映画館検索

- PR -

ユナイテッド・シネマ

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...
© eiga.com inc. All rights reserved.