監督・ばんざい! : 新作映画評論

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監督・ばんざい!

劇場公開日 2007年6月2日
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監督・ばんざい! 6月2日よりテアトルタイムズスクエアほかにてロードショー

映画とお笑いを極めた男による迷走と爆発の記録

画像1(C)2007「監督・ばんざい!」製作委員会

「世界の映画監督35人」の日本代表として出席したカンヌ映画祭にちょんまげのズラで登場、という先日の殿のパフォーマンスこそ、「監督・ばんざい!」の作風を最も正確に伝えているのではないか? すなわち、巨匠化した映画監督・北野武に対する、お笑い芸人・ビートたけしが行った偶像破壊。“北野武/ビートたけし”をめぐる自己言及的な考察、という点は前作「TAKESHIS’」(05)の延長だが、今回はそこに奇作「みんな~やってるか!」(95)ばりのバラエティ魂を脳がクラッシュしそうなほど詰め込んで、壮大な自虐ギャグ映画へと昇華した。映画とお笑い、ふたつのジャンルで頂点を極めた男による、怪物的にオンリーワンな迷走と爆発の記録がこの作品と言えるだろう。

お得意のギャング映画をうっかり封印してしまった映画監督キタノ・タケシが、ノイローゼのような面持ちで「どんな映画を作ればいいんだろう……」と自問自答を開始。小津安二郎風(というかパクリ)の「定年」、昭和30年代が舞台の「コールタールの力道山」など、最近ウケる映画のサンプルを片っ端から映画化するが、どれも挫折――。そんなトホホな状態を経て、突然覚醒したキタノ・タケシは、形容不能のバカ映画をトチ狂ったように撮りはじめる。その変態カーニバルを目の前にした我々は、もう呆気に取られるしかない。「いいかげんにしなさい!」とのツッコミも、地球に落ちてきた隕石の高温が焼き尽くしてしまうのだ!?

森直人

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ABOUT THE MOVIE

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  • 監督・ばんざい!
  • 北野武監督が自ら主演を務め、スランプに陥った映画監督の姿をパロディやギャグを散りばめながら描いた異色作。得意なギャング映画を“2度と撮らない”と宣言してしまったキタノ監督は、小津安二郎風人情劇、ラブ・ストーリー、ホラー、時代劇、SFなどあらゆるジャンルに挑戦するが、どれも予期せぬハプニングによってことごとく失敗してしまう……。
  • 監督・脚本:
    北野武
    製作:
    森昌行、吉田多喜男
    撮影:
    柳島克己
    音楽:
    池辺晋一郎
    出演:
    ビートたけし江守徹岸本加世子鈴木杏吉行和子内田有紀木村佳乃松坂慶子蝶野正洋、天山広吉
    製作国:
    2007年日本映画
    上映時間:
    1時間44分
    配給:
    東京テアトル、オフィス北野
  • 6月2日よりテアトルタイムズスクエアほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007「監督・ばんざい!」製作委員会

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