インビジブル・ウェーブ : 新作映画評論

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インビジブル・ウェーブ

劇場公開日 2007年5月26日
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インビジブル・ウェーブ 5月26日よりシネマート六本木ほかにてロードショー

主人公の内面世界を掘り下げたノワール風ロード・ムービー

画像1(C) Invisible Waves B.V.

「地球で最後のふたり」を作り上げた異才が再結集したラッタナルアーン監督の新作は、主人公の内面世界を掘り下げていく異色のフィルム・ノワールでありロード・ムービーだ。ボスの命令で、不倫関係にあった彼の妻を殺害し、身を隠すためにマカオからタイに向かうキョウジは、次々と奇妙な出来事に遭遇する。それは、罪悪感が生み出す幻覚なのか、それとも彼を陥れるために仕組まれた罠なのか。

出口のない空間を彷徨うキョウジは、死の淵に追いやられていくように見える。だが、この映画が切り開く世界では、生と死の間に明確な一線を引くことはできない。キョウジのなかで、自分を取り巻く世界や生と死に対する認識が変化していくからだ。ボスと彼は、シェフとスーシェフという一心同体に近い関係にあった。映画の冒頭に描かれるボスの妻とキョウジの最後の晩餐には、彼女がボスとキョウジを混同する一幕がある。

キョウジの変化とは、単に罪を認め、贖うことではない。気づかぬうちにボスの分身となっていた彼は、どこまで行ってもボスの世界に取り込まれていく。しかし、いつもそばにある海から寄せてくる“見えない波”が、自分を失った彼を揺さぶり、覚醒に導くのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • インビジブル・ウェーブ 画像2
  • インビジブル・ウェーブ
  • 「地球で最後のふたり」(04)の浅野忠信、ペンエーグ・ラッタナルアーン監督、クリストファー・ドイル(撮影)によるノワール風のロード・ムービー。不倫関係にあったボスの妻を殺し、逃亡の旅に出た料理人キョウジの魂の漂流とその運命を描く。共演は「オールド・ボーイ」のカン・ヘジョン、「インファナル・アフェア」のエリック・ツァンら。
  • 監督:
    ペンエーグ・ラッタナルアーン
    脚本:
    プラーブダー・ユン
    撮影:
    クリストファー・ドイル
    出演:
    浅野忠信、カン・ヘジョン、エリック・ツァン、光石研
    2006年/1時間55分
    配給:
    エスピーオー
  • 5月26日よりシネマート六本木ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C) Invisible Waves B.V.

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