救命士
3月25日より、渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー
ニューヨークの深い闇にのまれゆく男、
彼に救いはあるか?
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マーティン・スコセッシの「救命士」は、90年代初頭のNYヘルズキッチンを舞台に、夜の人々の命を守るため奔走する、救命士フランク・ピアース(ニコラス・ケイジ)の3日間を描く。脚本は「タクシードライバー」のポール・シュレイダー。街娼、ジャンキー、浮浪者、自殺志願者などがうごめく眠らない街の「闇」をあばき出す、夜の物語だ。
オープニングから、スコセッシ作品らしい「映画的快感」が充満している。マンホールから湯気が立ちのぼり闇の中を救急車が疾走する。サイレンがけたたましく鳴り、ネオンサインがフロントガラスに反射しチラチラと通 り過ぎる。流れるのはヴァン・モリソンの「T. B. Sheets」だ。名手ロバート・リチャードソンのキャメラがとらえる、夜のマンハッタンがウットリするばかりに美しいのだ! ジョン・グッドマン、ヴィング・レイムスらがコミックリリーフとして登場、笑いを誘う。そしてこの夜の物語は、パトリシア・アークエット(生死を彷徨う患者の娘役)が神経症をひどくさせる主人公に「昼の光」を与え(「タクシードライバー」のシビル・シェパードのように)、やさしくしめくくられる。
これはスコセッシが描く「夜」へのラヴレターだ。現代のフィルムノワールだ。その上質なフィルムの肌触りに、息を飲むしかない。
(佐藤睦雄)

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麻薬と暴力に支配された90年代前半のニューヨーク。フランクは腕のいい救急救命士だが、あまりにも多くの悲劇を目撃してきた彼の精神は次第にすり減り、燃え尽きる寸前だった。人を救えば、自分も救われる。だがこの何か月もの間、彼は患者の命を救うことができずにいた。きっと助かる、次の仕事はうまく行くはず……そう自分に言い聞かせ眠りにつこうとしても、彼が救えなかった患者たちは亡霊となってフランクにとり憑き、彼を眠らせないのだった。
原題:Bringing Out the Dead
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ニコラス・ケイジ、パトリシア・アークエット、ジョン・グッドマン
字幕:戸田奈津子
1999年アメリカ映画/2時間1分
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
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