パッチギ!/LOVE&PEACE 特集: 井筒和幸監督インタビュー

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パッチギ!/LOVE&PEACE

劇場公開日 2007年5月19日
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パッチギ!/LOVE&PEACE

日本人の少年と在日朝鮮人の少女との恋を描いた前作「パッチギ!」から、主人公の在日朝鮮人兄妹のキャストを一新して描く続編「パッチギ!/LOVE&PEACE」の井筒監督に、作品テーマや役者選びについて話を聞き、新たにアンソン役にキャスティングされた井坂俊哉にもインタビューした。(佐藤睦雄)

井筒和幸監督インタビュー
「映画も時代の“風俗”を映し出すんだね」

井筒和幸監督井筒和幸監督

――前回、沢尻エリカをしごいて一躍日本映画界になくてはならないスターに仕立てました。今回、キョンジャ役の中村ゆりも魅力的にみえますが、女優を“磨く”コツってあるんですか?

「普通に追い詰めるんですよ。それ以上ない。小さい所作が大事な映画で、細やかな所作が感情的につながる家族の映画だから、兄との関係、母親との関係、甥っことの関係をちゃんと理解する中で、頭で理解しても役者は演じられないから“心”で理解するように注文したんです。脚本を読めば準備できることなんですがね。そっから先の心で演技することが大事なんですよ」

――重要だったのは、家族の“心の距離感”ですか。

「アンソン(井坂俊哉)はあの場面かかりましたねぇ。電話ボックスから妹に電話するだけのシーンで、つなぐとたった1分半のシーンなんですけど、丸1日かかったかな。関西弁が難しかったってねぇ、京都育ちの家族が東京に出てきて、東京のど真ん中で生きていく話やから、家族は全員関西弁、京都弁をしゃべるのが普通だからね。お母さんは済州島(韓国)に生まれて、日本を点々としてきたわけやけど、(アンソンやキョンジャの)2世は京都育ちなわけだから、生きた言葉として関西弁をしゃべらないといけない。でも、言葉もさることながら、妹との気持ちのつながりの部分で、あの場面は妹を心配して愛情を注ぐ場面だから、血のつながりを描く映画だし、1世の両親から血を分け合った兄弟に見せるのは難しいもんですよ。ヘタすると、恋人にも見えるし、学校の先輩後輩にも見えるしね。そういう他人の関係じゃないから、相当難しかったんだろうね」

中村ゆり(右)は第2の沢尻エリカとなるか?

中村ゆり(右)は第2の沢尻エリカとなるか?中村ゆり(右)は第2の沢尻エリカとなるか?

――中村ゆりから清潔感を感じますね。初めてオーディションに来たときから、彼女を“磨いたろうか”とか思ったんですか?

「そういう大それた感情はなかったよ。主人公らしくキャラクターを大事に演じてもらえるように願ったわけで、特に、芸能界という社会の縮図みたいなところに入って、複雑な精神の裏側や表側を演じ分ける必要がありましたしね。在日としての難しい感情を演じなければならなかったわけで……」

――オーディションのときはどうだったのですか?

「普通に思いましたけど。膝を叩くというような感じではなく、2人ともどんな役でも演じさせてくださいっていう、やる気が全身からみなぎっていたからね。目つきが良かった。何せ、2000人も来たんだから! 演出部は2カ月かけて(オーディションの資料を)見てましたね。主役の2人以外の役は知り合いばっかりやから勝手知ったる……だったけど」

※「井筒和幸監督インタビュー(2)」に続く

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  • パッチギ!/LOVE&PEACE
  • 大ヒットを記録した前作から2年、舞台を68年の京都から74年の東京へと移して製作された井筒和幸監督の青春群像劇第2弾。難病を抱えた息子の治療のために京都から上京してきたアンソンとキョンジャの世間との“格闘”と、太平洋戦争末期、生き残ることに必死だったアンソン兄妹の父親たちの戦いを並行して描く。主演の2人には2200人のオーディションから選ばれた井坂俊哉と中村ゆり。共演に藤井隆、西島秀俊ら。
  • 監督:
    井筒和幸
    脚本:
    羽原大介井筒和幸
    製作:
    李鳳宇
    撮影:
    山本英夫
    音楽:
    加藤和彦
    出演:
    坂俊哉、中村ゆり、藤井隆風間杜夫ラサール石井西島秀俊
    製作国:
    2007年日本映画
    上映時間:
    1時間55分
    配給:
    シネカノン
  • 5月19日よりシネカノン有楽町ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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