ジャンヌ・ダルク
12月11日より、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急洋画系にてロードショー
人間性豊かに生まれ変わったベッソン版ジャンヌ

ベッソン映画のヒロインには独特の存在感と魅力がある。彼女たちは考えたりしない。ベッソンは、考えていたら手遅れのような緊迫した状況、あるいは自分の世界とあまりに異質であるために、考えることに意味がない環境に彼女たちを放りだす。だから彼女たちは、野性的な本能や根源的な力に頼るしかなくなる。ベッソンにとって時代背景や物語の流れはただの飾りにすぎない。彼に興味があるのは、極限の状況に適応し、進化するヒロインの存在だけであり、それだけで映画を成立させてしまうところに彼の魅力がある。
戦いの方法すら知らずに戦場の真っ只中に放りだされ、内に秘められた力を呼び覚まし、 致命傷を負いながらも再生するジャンヌはまさに彼のヒロインだ。しかも映画の後半では、 別の意味でベッソンの世界が見えてくる。
ジャンヌは自分の神秘的な体験が、啓示なのか、自分が見たいものを見ただけなのか葛藤し、自分を信じる道を選ぶ。そんな彼女の姿にはベッソン自身がダブる。彼にとって映画を作るということは、物語が稚拙であろうが荒唐無稽であろうが、レンズの効果 で画面が歪もうが、自分が見たいものを啓示だと信じて視覚化することであるからだ。
(大場正明)

1412年。ジャンヌ・ダルクがフランスの寒村で小作農の末娘として生まれたこの年、フランスは“英仏百年戦争”の真っただ中にあり、滅亡寸前の危機に曝されていた。この状況を救えるのは奇跡だけのように思えた…。時は流れ、17歳になったジャンヌは、神の声を受ける。彼女は自分が神の使者であることを疑わなかった。彼女はシノンの城にいる王太子シャルルのもとへ向かい、敵の包囲を解くために自分に軍勢を与えるよう申し出る。
原題:The Messenger: The Story of Joan of Arc
監督:リュック・べッソン
出演:ミラ・ジョボビッチ、ジョン・マルコビッチ、フェイ・ダナウェイ、ダスティン・ホフマン
字幕:松浦美奈
1999年アメリカ映画/2時間37分
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント
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オフィシャルサイト(仏語)
