タッチ : 新作映画評論

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タッチ

劇場公開日 2005年9月10日
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タッチ 9月10日よりシャンテシネほかにてロードショー

視線劇という戦略はいいのだが

画像(C)2005「タッチ」製作委員会

20年以上前に描かれた原作は、静かな三角関係から始まる普遍的な青春学園マンガであり、あの時代特有の明るさとやるせなさがないまぜになった空気に、犬童演出は最適だと期待させた。

時代背景は、てっきり80年代ないしは不特定だと思いきや、カメラ付きケータイや日テレのワイドショーが画面に現われ、まず現代である必然性に首を傾げる。原作の心の漂白を表す独特の間を活かそうとする意図はわかるが、主人公3人以外はセリフを言うために登場するとしか思えない“書き割り人物”となり、アンリアルな感覚が漂い始める。甲子園出場に懸けた弟の死後、画面から生気が失せる。

視線劇という戦略はいい。だが、希薄すぎる人物造形から、残された者のトラウマや遺志を継ぐ者の逡巡は伝わらず、長澤まさみ以外の被写体に愛情が及ばない。犬童印ともいえるキス・シーンが、吸い合うような濃厚な接吻でないのは、物語上当然だが、それが唇や額に触れる程度の接触にすぎないことが象徴するように男女の視線を行き交うエロスは表面的。甘酸っぱい青春の記憶に欠けるのは、何とも惜しい。作家性を押し出して波に乗る監督が、得意なはずの分野で職人仕事をやっていてはいけない。

清水節

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ABOUT THE MOVIE

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  • タッチ
  • あだち充のコミックとそのアニメ化作でおなじみの青春ラブストーリーを実写映画化。成績優秀、運動神経抜群で甲子園を目指す弟・和也と、何をやってもダメな兄・達也の双子の兄弟は、ともに幼なじみの南に心惹かれていた。監督は「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」の犬童一心。ヒロイン、南役は「世界の中心で、愛を叫ぶ」の長澤まさみ。ほかに RIKIYA、平塚真介、上原風馬らが共演。
  • 監督:
    犬童一心
    脚本:
    山室有紀子
    原作:
    あだち充
    撮影:
    蔦井孝洋
    音楽:
    松谷卓
    出演:
    長澤まさみ斉藤祥太斉藤慶太RIKIYA風吹ジュン若槻千夏徳井優小日向文世宅麻伸
    製作国:
    2005年日本映画
    上映時間:
    1時間56分
    配給:
    東宝
  • 9月10日よりシャンテシネほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2005「タッチ」製作委員会

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