劇場公開日 2006年4月22日

「シンプル。それゆえに伝わる悲しみ」ぼくを葬(おく)る αさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5シンプル。それゆえに伝わる悲しみ

2010年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

『まぼろし』に続くフランソワ・オゾンの“死にまつわる3部作”の第2作。『まぼろし』では“愛する人の死”を描いたオゾンが、今回は“自分自身の死”を描いた。そのためか、女性主人公が多いオゾン作品にあって、今回は監督とほぼ同年代の男性主人公。ついでに言うともちろんゲイ(笑)

死を宣告された男がそのことを内に秘め、愛する人たちと自分なりの別れを告げていく。物語はいたってシンプル。それゆえに悲しみが非常に分かりやすく伝わってくる。『まぼろし』よりもはっきりと死がそこに横たわってる。泣き叫んだりはせず、主人公が時折見せるわずかな涙や悲しい表情が胸にくる。

α