劇場公開日 2006年7月8日

「脅威の」ローズ・イン・タイドランド 病気の犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5脅威の

2013年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

とにもかくにもテリーギリアム監督の作品は彼が誰なのか知らない人は見ないほうが良いのかもしれない。

映画監督で大成している方を尊敬するのはいくつになってもぶれない方が多いということ。この映画もまだまだこんなのを作るんだな、という覚悟と凄みを感じます。

要は幼少期のイメージした世界を最新機器を使えばこんなにも再現・創造出来るんだぜ、という映画で、それだけしかなく、昔の苦労から一転して、予算少なめで作れる世界観に監督がはしゃいでいらっしゃいます。で、前半一時間は僕も一緒になって、「監督。すっげー。」ってはしゃいでいたんですが途中で疲れちゃいました。だって話が一向に面白くならないんだもん。

おそらく世界一の世界観を構築する技術を縦横に駆使しながら、ストーリーテリングが驚異的にへたくそというか興味をお持ちでいらっしゃらないというか、まさしく映画でしか出来ないことに特化しているけれども映画ででも出来ることへの愛情のなさというか。

だからあんたは巨匠になりきらないんだ。と何故だが義憤に燃えました。

世界観に入り込めるか否かが鑑賞の成否の全てを握るこの映画。いうなれば『ヴィデオ・ドローム』の主役が少女みたいな作品です。鑑賞後ほとんどの人は何か言いたいことがあるとは思いますが、もうあきらめるしか無いでしょう。

けして面白い作品だとは思いませんが、映画製作の技術への敬意を表してこの評価。

病気の犬