イカとクジラ : 新作映画評論

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イカとクジラ

劇場公開日 2006年12月2日
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イカとクジラ 12月2日より新宿武蔵野館にてロードショー

オフビートな話術に舌を巻く、おそろしく知的な悲喜劇

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1980年代NYブルックリンを舞台に、両親の離婚という大問題へ直面してしまうどこかいびつなインテリ家族を、文学&ロック&映画の引用をちりばめながらリリカルに物語る、おそろしく知的な悲喜劇。「ウッディ・アレンの再来」といわれるノア・バームバック監督のオフビートな話術に舌を巻いた!

タイトルは、監督の分身である一家の長男が見ていられない恐怖の対象としての、米自然史博物館にある巨大ジオラマ「イカとクジラの格闘」のこと。すなわち、傷つけ合い別れていった父と母のことを暗示している。くんずほぐれつの情景はセックスをも連想させ、思春期の子どもたち2人は恋やセックスにトラウマをいだく。そんな具合に、ギミックやプロットが幾重にも配された脚本は最高のできばえだ。ローラ・リニー演じる知的な母親はいつもどおりだが、この悲喜劇に笑い薬を盛るのが、ジェフ・ダニエルズ演じる父親だ。その「ダメおやじ」ぶりにクスクス笑いが止まらない。インテリで文学や映画の知識は人一倍なのに、わが子や妻相手にテニスの真剣勝負を挑んだり、うまく社会となじめない。救急車に駆けつけてくれた元妻にやさしい言葉もかけられないのに、「勝手にしやがれ」のラストシーンのセリフを言うのは忘れない。バームバックの才能は相当なものだが、次回作が試金石になるだろう。

佐藤睦雄

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ABOUT THE MOVIE

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  • イカとクジラ
  • 「ライフ・アクアティック」の脚本家ノア・バームバックが、86年のニューヨーク・ブルックリンを舞台に、ある家族の崩壊を滑稽に描いた自伝的悲喜劇。落ち目のインテリ作家である父親バーナードと「ニューヨーカー」誌で作家デビューを飾ることになっている母親ジョーンの間に生まれた16歳の兄ウォルト、12歳の弟フランクは、ある日両親から離婚することを告げられる。ウォルトは父親に、フランクは母親についていくが、2人とも学校で問題を起こすようになる……。
  • 原題:
    The Squid and The Whale
    監督・脚本:
    ノア・バームバック
    製作:
    ウェス・アンダーソン
    撮影:
    ロバート・イェーマン
    音楽:
    ディーン・ウェアハム、ブリッタ・フィリップス
    出演:
    ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェス・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン、アンナ・パキン、ウィリアム・ボールドウィン
    2005年アメリカ映画/1時間21分
    配給:
    ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 12月2日より新宿武蔵野館にてロードショー
  • オフィシャルサイト

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