戦場のピアニスト : 新作映画評論

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戦場のピアニスト

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戦場のピアニスト

戦場のピアニスト

2月15日より、日劇1ほか全国東宝洋画系にてロードショー

怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう

画像(C)2002 PR PRODUCTION/STUDIO BABELSBERG/HERITAGE FILM/RUNTEAM LIMITED.

ナチス政権による虐待の嵐の中を奇跡的に生き延びた、ユダヤ系ポーランド人ピアニスト。彼は実在の人物で、ポーランドを代表するピアニストであり作曲家でもあるのだが、彼のサバイバル物語となるはずのこの映画の中で、彼はほとんど何もしない。周囲の人々に助けられるばかりで、ピアノを弾く才能以外、彼には悪条件下を生き抜く生活の知恵も、気力も、勇気も何もないのである。

だから彼の奇跡的な生還は、そのピアノ演奏の才能を神に愛されたとしか言いようがないのだが、一方で、彼を助けた周囲の人間たちは、ことごとく死ぬ。言い換えれば、彼らをいけにえにして彼だけが生き延びたのだということにもなる。数しれない死骸の上に、たった1人立つピアニスト……。

そんなイメージが、廃墟と化したワルシャワの街で呆然とする主人公のショットへ繋がっていく。世界の果てまで続くかと思われるその空虚な広がりと共に、彼のピアノはある。神の愛と死者たちの叫びが、それには込められているのだ。だから映画の最後に延々と映されるピアノを弾く彼の指先のショットは、神の手さばきであると同時にゾンビたちのダンスのようにも見える。怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう。

(樋口泰人)

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(C)2002 PR PRODUCTION/STUDIO BABELSBERG/HERITAGE FILM/RUNTEAM LIMITED.

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