劇場公開日 2006年11月18日

「切なく、辛く、悲しく、重い…。秀作です。」キング 罪の王 live_at_luxorさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0切なく、辛く、悲しく、重い…。秀作です。

2009年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

額面通りに受け取っていいものなのか。

作品紹介を見てサスペンスフルな内容は予想してましたが
観終わった後に残ったのはその予想を遥かに超える複雑な感情でした…。

果たして本当に復讐だったのか。

シングルマザーに母一人子一人で育てられた男。
除隊して自由になった彼が真っ先にやりたかったことは
まだ見ぬ父に会いに行く。

きっかけはただ純粋にそれだけ…

ある日突然に 忘れかけていた過去の遺物に直面し、
自身の行いへの罪の意識から防衛本能を過剰に働かせた父親。

その一瞬が全てであった若者にはあまりに辛い…

始めは一時の感情的な行動だったのかも知れない。
不運と感情の高まりが重なったアクシデント。
そこからはもう引き返せない。

ほんのひと時訪れた平穏な日々。
初めて感じる父親の、そして家族の温もり。

協会でのあの至福の一瞬を頂点に
あとはもう ただただ加速度的に転がり落ちるだけ…。

これは天罰? 復讐?

天罰だとしたら誰に対する罰なのか。
復讐を企てた本人か。父の犯した過去の過ちに対する罰か。

いずれにしても あまりに代償は大きすぎた…。

切なく、辛く、やり場のない二人の複雑な感情の交錯するラストは秀逸。

秀作です。

※他サイトより転載(投稿日:2009/01/29)

live_at_luxor