ストーリーテリング : 新作映画評論

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ストーリーテリング

劇場公開日 2002年11月16日
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ストーリーテリング 11月16日よりシネ・アミューズにてロードショー

滑稽で、ひどく危ういアメリカの日常

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題名が「ストーリーテリング」で、<フィクション>と<ノンフィクション>と題された2部構成。1部には創作科で学ぶ女子大生、2部にはドキュメンタリー映画に挑戦する靴屋の店員が登場し、それぞれに現実と虚構が転倒していく。となれば、こうしたキーワードこそが映画のポイントだと考えたくなるところだが、ふたつのドラマはなかなか奥が深い。注目したいのは、1部の時代背景が80年代、2部が現代に設定されていることだ。

B・エーレンライクは「白人であることの耐え難さ」というコラムのなかで、80年代における白人の自尊心の低下に言及している。1部に登場する女子大生は、白人であることにコンプレックスがある。だから、黒人教授のSM趣味に抵抗を覚えながらも、「黒人を差別するな」とひたすら自分に言い聞かせ、彼の言いなりになる。これに対して2部では裕福なユダヤ系家族が、首にしたエルサルバドル人の家政婦からとんでもない仕返しをされることになるが、彼らの間にあるのは、逆にあまりにも単純な貧富の差でしかない。

現実と虚構の転倒のドラマは、そんな時代や意識の変化に立脚し、滑稽で、ひどく危ういアメリカの日常が浮かび上がってくるのだ。

大場正明

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