スパイ・バウンド : 新作映画評論

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スパイ・バウンド

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スパイ・バウンド

スパイ・バウンド

1月29日より、丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にてロードショー

スパイの日々の行動と思考をクールに綴る

画像

スパイの実像と政府の裏工作の実態を、フランスの元女スパイの証言などに基づき、緊張感あふれる映像で生々しく描いた異色作。

フランスの諜報員リザ(モニカ・ベルッチ)とジョルジュ(バンサン・カッセル)は、武器密輸船の爆破指令を受ける。前半は、モロッコで作戦を遂行するリザたちの動きを緻密に描写。だが、任務完了後、リザが麻薬密輸容疑で逮捕されるやドラマは一気に動きだす。リザを罠にかけたのは誰か? ジョルジュは上層部を無視し、真相究明に立ち上がる。

会話は必要最小限に抑え、スパイの日々の行動と思考をクールに綴っていく映像に息を呑む。自分をも偽り続ける生活に疲れ果て、スパイを辞める決意をしていたリザ。それを知り、スリルに満ちた生活を味わったスパイは普通の暮らしには戻れないと助言しながら、リザの逮捕で仕事に疑問を持つジョルジュ。甘い恋愛感情ではなく同士の絆で結ばれた2人の複雑な思いを、モニカとバンサンが表情や所作で浮き彫りにする演技も味わい深い。

ただ、2人がスパイになったいきさつが語られないうえ、スパイの世界の非情さにも強烈な驚きはなく、感情を熱く揺さぶられるまでには至っていないのが惜しい。

(山口直樹)

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