世界 : 新作映画評論

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世界

劇場公開日 2005年10月22日
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世界 10月22日より銀座テアトルシネマにてロードショー

世界を見晴らしながら世界に閉じこめられ

画像(C)2004「世界」製作委員会

中国には、世界中のモニュメントを園内各所に配置したテーマパークがいくつかあるのだそうだ。「世界公園」とか「世界之窓」とか呼ばれていて、例えば日本の淡路ワールドパークONOKOROなどとは規模が全然違う。

この映画は、その「世界公園」が舞台となる。まさに世界を一望の下に見渡すことのできる場所。例えばその昔から、人はそんな場所を求めてきたように思う。そして今や、人工衛星から送られてきた世界の映像を、私たちは自宅のテレビモニタで見ることができる。そんな現代社会の馬鹿馬鹿しくシリアスな縮図が、その「世界公園」にはある。

この映画で示されるのは、そんな世界を見晴らす場所で働く若者たちが、その「世界」に閉じこめられているということだ。誰もそこから抜け出すこともできない。「世界公園」の外側にも延々と、「世界公園」が広がっている。そんな現代社会の姿である。つまり、北京という一都市の具体的な若者たちの物語は、それを見る私たちの世界に広がってくる。その閉塞された世界の重苦しい空気を私たちも吸っていることに、気づかされるのだ。誰もが自由に何でもやれてどこにでも行けるはずの日本が、いかに閉じられていて不自由かを、この映画は教えてくれる。彼らのその後の物語を作るのは、私たちであることを。

樋口泰人

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ABOUT THE MOVIE

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  • 世界
  • 「プラットホーム」「青い稲妻」で世界的に注目を集める中国監督ジャ・ジャンクーの最新作。北京郊外にあるアミューズメント・パーク“世界公園”は、パリのエッフェル塔やイタリアのピサの斜塔など世界の名所を縮小して再現したテーマパーク。そこで働くダンサー、タオの毎日の不安と希望を、08年のオリンピック開催に向け変貌していく北京の街を背景に細やかに描く。タオ役はジャ・ジャンクー作品の常連、チャオ・タオ。
  • 原題:
    The World
    監督・脚本:
    ジャ・ジャンクー
    製作総指揮:
    森昌行
    製作:
    吉田多喜男、市山尚三
    撮影:
    ユー・リクウァイ
    音楽:
    リン・チャン
    美術:
    ウー・リーチョン
    出演:
    チャン・タオチェン・タイシェンワン・ホンウェイ、ジン・ジュエ、チャン・チョンウェイ、シャン・ワン
    製作国:
    2004年日本・フランス・中国合作映画
    上映時間:
    2時間13分
    配給:
    オフィス北野、ビターズ・エンド
  • 10月22日より銀座テアトルシネマにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2004「世界」製作委員会

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