歓楽通り : 新作映画評論

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歓楽通り

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歓楽通り

歓楽通り

3月1日より、シネマライズほかにてロードショー

ある意味、ルコント映画の集大成

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戦前のパリ、とある娼館に生まれ育った男プチ・ルイと、娼婦マリオンの物語。といっても、2人は恋仲ではない。プチ=ルイはさえない小太りの中年。マリオンはうら若き美女。しょせん高嶺の花なれど、あなたこそ運命の女、お慕いします、尽くしますと、プチ=ルイは見返りも求めずマリオンの幸せのために奔走する。彼女の恋人さえ探しに行く……。

なんともマゾヒスティックな愛の形。まるでルコント版「春琴抄」? 佐助がお琴を、谷崎が松子夫人を「あなた様」と崇拝したように、ルコント映画も常にミューズを求める男を描く。娼館の中だけで育ち、「いつか運命の女に出会って、その人を幸せにしよう」と夢見るプチ=ルイは、いつか「髪結いの亭主」になろうと夢見る少年に似ているし、見返りを求めずただ彼女を見つめていたい点では「仕立て屋の恋」に重なる。

その意味で、この映画はルコントの集大成とも思えるのだが、性的代償は求めないから、プチ=ルイは大人になってもプチのまま。マリオンは王子さまを待つ薄幸の少女。なにやら<東洋の宮殿>という名の娼館を舞台にした“おとぎ話”めいている。ルコントの意識は谷崎より荷風ばりの、白粉舞い人情漂う「歓楽通り」の再現にあったのかもしれない。

(田畑裕美)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 歓楽通り
  • 「髪結いの亭主」「橋の上の娘」のパトリス・ルコント監督の新作。舞台は、45年のパリ最後の娼館。この館で娼婦の息子として生まれ、娼婦たちの身の回りの世話だけをして生きてきた中年男プチ=ルイ。彼は歌手を夢見る若い娼婦マリオンと出会う。マリオン役は、イブ・サンローランの最期のミューズとして知られる、トップモデル出身のレティシア・カスタ。モーリス・シャバリエ、ミスタンゲットなどのシャンソンが全編を彩る。
  • 原題:
    Rue Des Plaisirs
    監督:
    パトリス・ルコント
    脚本:
    セルジュ・フリードマン
    出演:
    パトリック・ティムシットレティシア・カスタバンサン・エルバズ
    製作国:
    2002年フランス映画
    上映時間:
    1時間31分
    配給:
    松竹、メディア・スーツ、シネマパリジャン
  • オフィシャルサイト

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