リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 : 新作映画評論

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リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 6月11日よりテアトルタイムズスクエアほかにてロードショー

ペンにしか演じることが出来ない鬼気迫る追い込まれ方

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ショーン・ペンは、疑いなく現代のアメリカ映画界を代表する優れた俳優だけど、最近相次ぐ公開作を見ていて、演技の“過剰さ”が個人的に鼻につきつつあった。ただし、この映画での彼は別格である。物語の舞台は70年代前半のアメリカ。ケネディ暗殺からべトナム戦争の泥沼化、さらにその是非を巡る世論の二分化……と60年代を通じて傷つき続けた末、“アメリカン・ドリーム”なんてもはや誰も信じられなくなった……といった状況にある当時のアメリカの荒んだ雰囲気が本作全般を覆う。

ペン演じるサム・ビックは、家族から見放され、金儲けや成功に至上価値を置く社長の俗っぽさに嫌気がさして仕事も辞めてしまう……といった典型的な“負け組”の人生を歩み、やがて、当時の大統領を標的にした“テロ”の計画へと妄想を膨らませるのだが、ダメ男の鬼気迫る追い込まれ方が、これはペンにしかできないなあ、と十分納得できるだけの絶妙な演技。むろん、政治的に左派として知られる彼としては、暗殺の手口が9・11を連想させるばかりか、今日のアメリカを支配する“新自由主義”(簡単にいうと、勝ち組/負け組の区別の絶対化)批判も射程に入る作品だけに気合いが入ったはずで、それも勝因だろう。

北小路隆志

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ABOUT THE MOVIE

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  • リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
  • 74年に起きたニクソン大統領暗殺未遂事件を踏まえて描く社会派ドラマ。オフィス機器のセールスマンである40代のサムは、売り上げが伸びず、妻にも家出されて、苦悩する日々を過ごす中で、ウォーターゲート事件の報道に接して、ニクソン大統領の暗殺を考えるようになる。製作に「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の監督アルフォンソ・キュアロンや、「サイドウェイ」のアレクサンダー・ペインが参加しているのも話題。
  • 原題:
    The Assassination of Richard Nixon
    監督:
    ニルス・ミュラー
    脚本:
    ケビン・ケネディ、ニルス・ミュラー
    製作総指揮:
    ケビン・ケネディ、レオナルド・ディカプリオ、アレクサンダー・ペイン
    製作:
    アルフォンソ・キュアロン、ホルヘ・ベルガラ
    撮影:
    エマニュエル・ルベツキ
    音楽:
    スティーブン・M・スターン
    出演:
    ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チードル
    製作国:
    2004年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間36分
    配給:
    ワイズポリシー
  • 6月11日よりテアトルタイムズスクエアほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

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