パープル・バタフライ : 新作映画評論

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パープル・バタフライ

劇場公開日 2005年11月12日
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パープル・バタフライ 11月12日より新宿武蔵野館ほかにてロードショー

彼らを引き裂くのは占領と抵抗という単純な図式ではない

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活動家の兄を暗殺され、シンシアからテロ組織の一員ディンホエとなるヒロイン。かつて彼女と愛し合い、諜報部員となって舞い戻る伊丹。彼女に想いを寄せるテロ組織のリーダー、シエ・ミン。双方から組織の刺客と間違われ、婚約者イーリンを殺され、暗闘に巻き込まれていくスードゥー。監督のロウ・イエは、明確な物語の流れや台詞ではなく、降りしきる雨、ダークなトーン、顔のアップ、長回し、時間軸の操作などが際立つスタイリッシュな映像によって、ヒロインと3人の男たちの微妙な距離と心理を描き出していく。

彼らを翻弄し、引き裂くのは、占領と抵抗という単純な図式ではない。軍の強硬派を憎む伊丹は、密かにテロ組織に荷担し、シンシアとの失われた時間を取り戻そうとする。スードゥーにとって彼女は、仇であると同時に、イーリンを奪われた苦悩を分かち合える唯一の人間でもある。そして、シエ・ミンは、闘士としてのディンホエだけを愛そうとする。

ディンホエ、シンシア、イーリンの狭間で揺れるヒロインは、あえて苦境に立つことで、自分を見極めようとする。そして、ドラマが時間を遡り、運命の分かれ目に臨む彼女を映し出すとき、その哀しみはより深いものとなっていくのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • パープル・バタフライ 画像1
  • パープル・バタフライ
  • 戦乱の緊張が漂い始める1931年の上海。日本軍の敏腕諜報部員・伊丹は、かつて恋人だったシンシアに再会し、もう一度愛を育もうとするが、シンシアは抗日テロ組織パープル・バタフライの一員となっていた。「SAYURI」も楽しみなチャン・ツィイーと、国際派スター、仲村トオルが共演。監督・脚本は「ふたりの人魚」でロッテルダム映画祭でグランプリを受賞した中国映画界の新鋭ロウ・イエ。撮影は「たまゆらの女」のワン・ユー。
  • 原題:
    Purple Butterfly
    監督・脚本:
    ロウ・イエ
    撮影:
    ワン・ユー
    音響:
    ルー・ジャージン
    出演:
    チャン・ツィイー仲村トオル、リィウ・イェ、フェン・ヤンチェンリー・ビンビン
    製作国:
    2003年中国・フランス合作映画
    上映時間:
    2時間8分
    配給:
    アスミック・エース
  • 11月12日より新宿武蔵野館ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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