ハネケにまた1本取られた
ハッピーエンド見る前のハネケ2本目
ファニーゲームでしてやられたからかなりの覚悟でいったけどやっぱさすがハネケ師匠。
イザベルユペールの演技は圧巻。
胸が苦しく頭を少々抱えたくなるところもあるがなぜかみてしまう。みなくてはならないと思ってしまう。
偏った癖
先生と生徒のラブストーリー。
ビデオ試写のシーンは当分の間忘れないほど印象深かった。
壁崩壊に挑む女性のひたむきさ 
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ユペール演じるエリカはピアニスト。
自分の求めるピアニストにピアニストは果たしてなれるのだろうか?自分自身で鍵盤を弾き満足出来る音に出会えるのだろうか?私にはこの作品のエリカはただひたすらその事だけしか考えてないのではないだろうか?と思えて仕方がない。性描写や精神描写などは
全て自分の理想の音を求めての行動それと共にワルターのピアニストとしての才覚の探究心これに尽きる気がする。また近々見直したい作品。
何度見ても飽きなさそうだが連続で何回も見たら
私もチョット何かに持ってかれそうな気もする
やや甘い危険の香りが漂ってる作品。
ハネケ監督作品の奥の奥まで突っ込み昇天したいものだ。
性の倒錯と歪んだ衝動
男性社会の中でキャリアを積む女性というのは、ある種誰しも精神的には男性にならざるを得ない場面が多々あると思う。そうした中で、無意識にも精神的な性の倒錯、偏った成長に伴う歪んだ衝動が生まれるのではないかと思った。反発し合うそれらはある面から見たら狂気的で恐ろしいのだけど、また裏返すととても幼く純粋で美しくすらある。最後のナイフを使うシーンの主人公の表情は凄まじかった。そして、その後の颯爽とした去り際…。それでも自分らしく生きるしかない。強く儚く美しい。印象深い作品でした。
ドン引きだけではない 
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10年ぶりぐらいで再鑑賞。
初見のとき生理やと思ってたシーン、よくみたら剃刀…?わけわからんくてぞっとした。
ひたすら変態ババアの話という記憶しかなかったけど、2度目みたらエリカは勿論ワルターもちょっとネジ外れてるのではという感想。地味な中年に熱上げたり自宅まで尾けてきたり殴ったり、やってることはまあまあヤバイ。
イケメンで社交性も高いワルターがなんでエリカなんかに惚れたのか、そこがわけわかんなすぎて、彼のシュールなほどツンデレな行動の意味が全然わからん。
ショッキングな各演出を差し引くと、結局テーマは誰にも愛されない絶望なのかな。
いつか誰かに愛されるかも→ワルター登場→拒絶→ママ愛してる→拒絶→やっぱワルター→拒絶→死んでやる
の心の動きは正直共感できた。
てか、ミヒャエルハネケ作品と初めて知った。道理で気持ち悪いはずや。
ファニーゲームと、愛、アムールが完全にトラウマになった因縁のミヒャエルハネケ…
痛々しいし嫌悪感はんぱないけど、結局いろいろ考えさせられながら観ちゃうんよなあ。
始終押さえ込まれたような暗さがある 
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落ち込んでる時には絶対見ないほうがいいです。
主人公の性癖をあからさまに描いていて、見たときは衝撃でした。
男性だったら個室ビデオ屋などに行っても別に…という感じですが
どうして女性だとこんなに痛々しくなってしまうのでしょうね。
ラストシーンはすごく比喩的?ですが、
なんかほんとにみていて胸が潰れるような息苦しさを感じる映画です。
本当に救われない…
映画でここまで表現できるのはすごい。
ちょっとズレてるド変態ツンデレわがままこじらせ女子ライフ 
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ちょっとズレてるド変態ツンデレわがままこじらせ女子ライフ。
誰しも秘めてるであろう感情や欲望について考えさせられる映画です。
全く説明的ではないので観る人によってはかなり苦手な人もいるかもしれないですね。
女性の求める愛、男性の求める愛、その時々の愛の形は違うというのを象徴的に表していると思いました。
個人的感想
ミヒャエル映画で初めて見た作品です。
冒頭はオシャレな感じで始まりましたが、話が進むに連れ主人公の女性のアブノーマルな性癖に度肝を抜かれました。
作中ではピアノの音色以外音楽は一切なく、そこがまた人とのやりとりにリアリティを感じました。
主人公に好意を抱く男性が伊勢谷友介似なところにも注目して観ていただきたいです。
抑圧からの解放
Piano講師と言う かしこまった職業、精神を病んだ父を除いての母との二人暮らし。自分自身を抑圧し、納得させられるだけの それなりの地位は得ている。その抑圧が やがて“精”に及んだら? 解放を忘れた普段の生活を他所に、押し込められながらも歪に、だが ゆっくりと成長する欲望を解き放とうとしたら? そして それが受け入れられなかったら?
何とも居た堪れない映画である。
圧倒された 
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主人公のおばさんが高齢処女のなれの果てで、持て余した性欲でどんどんおかしくなっていく話なのかと思ったら、処女ではなかったようであった。
主人公は他者に対する配慮のなさは未熟な童貞と同じで、自分のことしか考えられないクソで、しかも老婆である母親と共依存のような関係にある。そんな内面なのに社会的には芸術家や先生としての地位もあり、アンバランスで、常に発狂寸前のような緊張感のある役どころを本当にそのもののように演じていて素晴らしかった。
しかしそんな人も感情を持った人間として世界に存在していることをきちんと表現している。クライマックスでそんなクソ女がどれほど素晴らしい演奏をするかと思ったらそこは肩透かしだった。その代わりに地味な自殺行為があって、それはそれでびっくりした。
ステレオタイプじゃない、本当のSMってこういうことなんだろうなあと思い、怖かった。変態の狂おしさは見事に表現されていた。
クソ人格の人間の行き着く果てを描いていた。また、世界にクソをぶっかけてやろうという気概に溢れていて、とにかく圧倒的な作品だった。
75点 あぶのーまるを解き放て!
(2013/2/15)
カップルになりかけの男女ふたりで、ちんまり鑑賞にお薦め!
終わる頃には互いのアブノーマルが開放、特別な空間に^^
ラストの一撃は、
戒めだったのでしょうか。
ハネケ節全開
オーストリア人監督、ミヒャエル・ハネケは人を不快にさせる映画をバンバン作ってる人です。そのやり方はほんとすごくて、よっぽどの確信犯的な自信がないと出来ないほど。「この人、友達いるんだろうか?」って余計な心配してしまうほどです。ちなみに、わたくし彼のファンです。
この映画の、音楽と人との関係は、「戦場のピアニスト」などの作品とはまったくの対極。音楽ばっかりして常軌を逸し、それでも尚人生を生きてる女性が題材です。あくなきプロ根性と申しましょうか。究極に突き進んだ人ゆえの痛さと悲しさが、胸につきささります。そして、そんな人は恋愛ですらも屈折してしまうんですね。普通を超越している故に、普通の感情表現ができないのです。
そういった主人公に、ハネケ監督は救いの手を安易にさしのべたりしません。すごい集中力で彼女を突き放しつつ、見捨てずに、最後まで描ききります。それが、この手の作品にややもすれば付着してしまう独善性を見事に払拭しているのです。あくまで見る人の目を意識し、判断を監督自身でするのでなく、観客に委ねているんですね。お見事です。