嫌われ松子の一生 : 新作映画評論

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映画

嫌われ松子の一生

劇場公開日 2006年5月27日
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嫌われ松子の一生 5月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー

映画に物語は重要か?という挑発的な問い

画像(C)2006 「嫌われ松子の一生」製作委員会

なんて映画だ。とにかくすべてにおいて過剰。最後の1秒までこれほど作者のエナジーがぎっしり詰った作品は稀ではないか。アニメーション合成をはじめとする隙間のない映像処理と、ミュージカル手法に代表される無数のギミック。伝統的映画作法とは徹底的に無縁であるのに、なぜか正統派古典の香りさえ漂わせて観客を滂沱させるのだ。

こんな二律背反な物言いになるのは「目に訴える表現」と「語られるストーリー」との、あまりにもあまりな乖離のせい。正直、物語だけ採ってみると、主人公・松子の一生には何の新しさもない。淪落した女教師が生活力も社会性もない男たちに惚れて捨てられ無茶苦茶にされ、身を売り人を殺し揚げ句の果ては野垂れ死ぬ……まさしく幾百年繰り返されてきた三面記事的事件の連続。

しかし中島哲也はそこにこそ、いま映画にするべき理由を見つけたのではないか?

本作は「物語なんて映画にとってそれほど重要なものだろうか?」という挑発的問いかけである。陳腐な紋切り型を起点としながら、いかに独自の表現が展開できるか。凡庸さの中からいかに真の感動を引きだせるか……。それは“新しいものなど何もない”という地点から新しいものを始めなければならないという、いわばポスト・モダン的宿命に向きあう作家の真摯な意思表明といっていいだろう。

ミルクマン斉藤

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ABOUT THE MOVIE

  • 嫌われ松子の一生 画像1
  • 嫌われ松子の一生
  • 「下妻物語」の中島哲也が山田宗樹の同名小説を映画化。昭和22年、福岡県に生まれた松子は明るい少女時代を経て中学教師となるが、ある事件が元で失業。その後は男性遍歴を重ねるたびに不幸になり、ついにはソープ嬢となって殺人を起こし、刑務所に服役してしまう。柄本明、木村カエラ、柴咲コウ、武田真治、土屋アンナ、宮藤官九郎、劇団ひとりなどの人気者たちが大挙出演。
  • 監督・脚本:
    中島哲也
    原作:
    山田宗樹
    撮影:
    阿藤正一
    音楽:
    ガブリエル・ロベルト、渋谷毅
    主題歌:
    BONNIE PINK
    出演:
    中谷美紀瑛太伊勢谷友介香川照之市川実日子黒沢あすか荒川良々竹山隆範
    製作国:
    2006年日本映画
    上映時間:
    2時間10分
    配給:
    東宝
  • 5月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2006 「嫌われ松子の一生」製作委員会

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