ローレライ : 新作映画評論

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ローレライ

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ローレライ

ローレライ

3月5日より、日劇2ほか全国東宝系にてロードショー

ガンダム世代がエヴァの破綻を乗り越えて

画像(C)2004 フジテレビジョン・東宝・関西テレビ放送・キングレコード

これは、ただの戦争特撮大作ではない。誰もが死を意識した第2次世界大戦末期という状況を借り、昭和40年代生まれの原作者と監督が描きたかったのは、格好良さを追求するだけのバトル・アクションではない。死はおろか、生すら曖昧になった虚構の世代の葛藤や苦悩が語られていく。それはまるで巨大ロボット・アニメという枠の中で、現実の中に放り出され、アイデンティティを模索しながら戦い始めた少年たちの姿を思い起こさせる。

もし3発目の原爆で東京が壊滅していたら、という設定が彷彿とさせるのは、80~90年代のサブカルが拠り所とした終末的世界観。原爆投下を阻止する希望は、少女が鍵を握るシステム「ローレライ」を搭載した潜水艦に託される。リセットして灰の中から再生するか、それとも、若者の未来を犠牲にせず混沌から這い上がるか。結果的にいつの時代も終末は訪れず、ぼくらは絶望を抱え、過去を引きずりながら、生き永らえなければならない。いわばこの映画は、ニュータイプとなってしまった「ガンダム」世代が、着地点を見出せなった「エヴァ」の破綻を乗り越え、世界の終わりにけりをつけて、生きる覚悟を新たにした同時代のファンタジーだ。

(清水節)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 平成ガメラシリーズの特技監督として知られる樋口真嗣が長編監督デビュー。45年8月、広島に原爆を投下され、窮地に陥った日本軍は、ドイツから極秘裏に入手した潜水艦・伊507に特殊兵器「ローレライ」を搭載し、米原爆搭載機の発信基地の奇襲を目論む。だが乗組員たちの思いはさまざまだった。原作は福井晴敏の「終戦のローレライ」。同じ原作者による大作「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」が続々公開されるのも話題。
  • 監督:
    樋口真嗣
    脚本:
    鈴木智
    原作:
    福井晴敏
    出演:
    役所広司妻夫木聡柳葉敏郎香椎由宇堤真一
    製作国:
    2005年日本映画
    上映時間:
    2時間8分
    配給:
    東宝
  • オフィシャルサイト

(C)2004 フジテレビジョン・東宝・関西テレビ放送・キングレコード

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