ラスト・サムライ : 新作映画評論

掲載作品数22610

映画のことなら eiga.com エイガ・ドット・コム

ヴェロニカ・マーズ

新作映画評論

ラスト・サムライ ラスト・サムライ 12月6日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

ここにも9・11は深く影を落としている

画像(C)2003 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

今何故「サムライ」なのかという疑問には、その精神が作者の琴線に触れたのだとか、西欧特有のエキゾチシズムによるものだとか、もっともらしい答えが思い浮かぶ。あるいはまたニュータイプの西部劇として、この映画は見ることも出来る。事実主人公は、「インディアン」たちとの激戦を潜り抜けてきた男なのだ。

ではどうして「西部劇」を作るのかといえば、やはりそこには9・11WTCテロが、深く影を落としているように思える。侵略者と原住民の戦いに倣って仕立て上げられた日本における近代化と伝統の戦いの構図がサムライ精神によって反転し、かつては侵略者の1人として戦った男が今度は伝統の側に立つことになるという物語は、アメリカのその後の可能性を暗示する。またそれは、ハイテク機器による非人間的な戦争のあり方にも、別の視線を付け加えるだろう。

つまり、私たちは人間である、ということだ。1人の人間が一生を全うする。その自由と責任を自らの手に握ることの意味を、アメリカは今、見つけようとしているように見える。いたずらに説教くさい台詞には、さすがに少しうんざりもするが、迫力満点の戦闘シーンの疲労感の中で、私たちは「自由と責任」の重さを知ることになるだろう。

樋口泰人

ブックマーク: この記事をYahoo!ブックマークに登録する この記事をはてなブックマークに追加する この記事をlivedoorクリップに登録する この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をnewsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • ラスト・サムライ 画像1
  • ラスト・サムライ
  • かつての南北戦争の英雄、オールグレン大尉は戦争の無意味さに疲弊し、今はアル中暮らし。そんな彼が、近代化を目指す日本の軍隊の教官として雇われて日本へ渡り、国を挙げての近代化の波の中でサムライの生き方を貫こうとする武将、勝元に出会う。 監督・共同脚本はデンゼル・ワシントンにオスカーをもたらした南北戦争映画「グローリー」のエドワード・ズウィック、共同脚本は「グラディエーター」のジョン・ローガン。
  • 原題:
    The Last Samurai
    監督:
    エドワード・ズウィック
    脚本:
    ジョン・ローガン、エドワード・ズウィック、マーシャル・ハースコビッツ
    製作:
    トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー、エドワード・ズウィック、マーシャル・ハースコビッツ
    撮影:
    ジョン・トール
    音楽:
    ハンス・ジマー
    出演:
    トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之、小雪、ティモシー・スポール、ビリー・コノリー、トニー・ゴールドウィン、池松壮亮、中村七之助、菅田俊、福本清三、原田眞人
    2003年アメリカ映画/2時間34分
    配給:
    ワーナー・ブラザース映画
  • 12月6日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2003 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

ラスト・サムライ

  1. 作品ページ
  2. 映画レビュー
  3. 注目特集
  4. 映画評論
  5. 動画・予告編
  6. フォトギャラリー
  7. 映画館検索

- PR -

ユナイテッド・シネマ

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...
© eiga.com inc. All rights reserved.