レディ・キラーズ : 新作映画評論

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レディ・キラーズ

劇場公開日 2004年5月22日
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レディ・キラーズ 5月22日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

オリジナル作の洗練に憧れるのは理解できるけど…

画像(C)TOUCHSTONE PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

コーエン兄弟のクラシック・コメディ好きは周知の事実だ。すでに「未来は今」でフランク・キャプラを、「オー・ブラザー!」「ディボース・ショウ」でプレストン・スタージェス流のスクリューボールを模倣しているが、そんな彼らが今回挑んだのはいわゆる“イーリング・コメディ”の代表作「マダムと泥棒」(55)。戦後イギリスを風靡したオリジナルは、瀟洒にしてブラック極まる英国的笑いのお手本だが、コーエンはそれをなんとも泥臭い映画に貶めてしまった。

いや、舞台をロンドンからミシシッピに移したから、という理由だけではない。実は影の主役である老婦人を、いかにも英国風のおばあさんから敬虔で頑固な黒人寡婦に改変するアイディアは意外に成功しているのだ。でも肝心の悪人チームのアンサンブルがてんでバラバラ。現代アメリカ的な、異なる出自のメンバーを揃えたのは判るけど、台詞の応酬があまりにも鈍重かつ下品。原作を大胆にアレンジするならそれでちっとも構わないが、なぜトム・ハンクスだけがアレック・ギネスのクラシカルなスタイルを律義にコピーしているのか謎。原典の洗練に憧れるのは理解できるけど、ちょっと頭の切れる映画マニアが作ったまがい物程度にしか見えないのだな、残念ながら。

ミルクマン斉藤

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