劇場公開日 2003年9月20日

くたばれ!ハリウッド : 映画評論・批評

2003年9月16日更新

2003年9月20日よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー

映画はこのように語られるべきという信念の大ホラ話

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ハリウッド60年代は、経営面での大混乱期であった。後に「ある愛の詩」「ゴッドファーザー」などの世界的大ヒットで復活するパラマウントも、60年代後半にはスタジオは閉鎖の危機にあった。そんなとき、俳優でもある1人の男が製作部門の責任者として雇われる。突然の抜擢に周囲も本人も驚いたが、しかし彼は周囲と衝突を繰り返しながらもすぐにプロデューサーとしての才能を発揮。上記の大ヒット作を発表して、瀕死のパラマウントを救う。

この映画は、そんなロバート・エバンズの自伝である。その語りの巧みさに、貴重な資料映像をふんだんに使ったそれがドキュメンタリーであることを忘れる。80年代に起こった様々な事件やその人柄のアクの強さによってハリウッドから半ば追放されてしまった彼からの、今やかつての語りの巧みさを忘れてしまったハリウッドへの強烈な一撃、と言ってもいいかもしれない。ドキュメンタリーだろうがフィクションだろうが関係ない、映画はこのように語られるべきだ。そんな彼の物語に対する信念が、この映画にはみなぎっている。

70年代ハリウッドを代表するプロデューサーの大まじめな大ホラ話。盟友ジャック・ニコルソンやダスティン・ホフマンらが嬉々として演じる本気/冗談スレスレの「演技」に注目!

樋口泰人

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