劇場公開日 2004年10月30日

「「たそがれ清兵衛」に似すぎ、でも松たか子はえらい」隠し剣 鬼の爪 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「たそがれ清兵衛」に似すぎ、でも松たか子はえらい

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

総合:75点 ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:80点|ビジュアル:75点|音楽:65点

 前作の宮沢りえも良かったが、今作の松たか子が素晴らしかった。初めての海を見に行った浜辺での場面の、彼女の科白と表情と自然に流れる(ように見える)涙は特筆ものだった。身分の違いや立場を考えてみて、それでも何とか傍においてもらおうと粘って、それでも駄目で自分に言い聞かせるように、そして相手にすがるように自分の感情を伝える姿が相当に上手い。主演の永瀬正敏や妹役の田畑智子も良かった。
 殺陣はやや動きも遅くてこんなものかなという感じ。物語は悪くないのだが、あまりにも同じ監督の前作「たそがれ清兵衛」に似ていて、それがなくてこの作品だけ存在したのならばもっと面白いと思ったことだろう。だがあの作品を見た後で本作が出ても二匹目のどじょうか二番煎じくらいにしか思えず、もっと独自性があればいいが物語も演出も似ているのでどうしても新鮮味がない。もっと作品ごとの違いを明確にしなければ金太郎飴状態になってしまう。せっかく質の高い作品なのでもったいないと思ったし、それがなければもっと良い得点を付けられた。

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Cape God