アイリス : 新作映画評論

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アイリス

劇場公開日 2002年12月7日
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アイリス 12月7日よりシネスイッチ銀座ほかにてにてロードショー

この愛のドラマは「言葉」を巡るドラマでもある

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実話をもとにしたこの映画では、アイリスがアルツハイマー病に蝕まれていく晩年のドラマが軸となり、そこに彼女とジョンが出会い、恋に落ちていく若き日のエピソードが挿入される。そのふたつの時代の間には長い空白がある。当然この女性作家の偉業は描かれないが、ここでより重要なのは、恋に落ちた彼らが築き上げてきた関係を直接描くのではなく、前後の時代から浮き彫りにすることだ。

水中で戯れる若いふたりがそのまま老いたふたりに変わる映像は、永続的な絆を物語るが、それはすべてを共有することではない。彼女の病によって皮肉にも彼らが生活を完全に共有せざるをえなくなったとき、その絆の本質が明確になっていく。若き日のジョンは、彼女が他の男とベッドにいる姿すら目にするが、それでも彼女を受け入れる。晩年の彼らが日常的に繰り返す言葉遊びは、お互いを束縛しないための自然な距離を表し、彼女の言葉が失われたとき、その距離が崩壊する。

しかしそれでもジョンには言葉が染みついている。ふたりの親友の葬儀で彼が弔辞を述べる場面は印象的だ。トルストイの小説のユーモアについて語る彼は、完全に浮いてしまうが、その姿勢こそがアイリスを支えるのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • アイリス 画像1
  • アイリス
  • アカデミー賞助演男優賞をジム・ブロードベントが受賞、女優賞2賞にノミネート(主演ジュディ・デンチ、助演ケイト・ウィンスレット)されたドラマ。イギリスの小説家アイリス・マードックとその夫ジョンの40年間に渡る日々を、50年代のオックスフォード大学生時代から、アルツハイマーに冒された晩年までを描く。監督、共同脚本は、英国演劇界の重鎮、リチャード・エア。彼の母親も同じ病気を患っていた経験を持つ。
  • 原題:
    Iris
    監督:
    リチャード・エア
    原作:
    ジョン・ベイリー
    脚本:
    リチャード・エア、チャールズ・ウッド
    撮影:
    ロジャー・プラット
    音楽:
    ジェームズ・ホーナー
    出演:
    ジュディ・デンチジム・ブロードベントケイト・ウィンスレットヒュー・ボネビル
    製作国:
    2001年イギリス映画
    上映時間:
    1時間31分
    配給:
    松竹
  • 12月7日よりシネスイッチ銀座ほかにてにてロードショー
  • オフィシャルサイト

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