犬神家の一族(2006) : 新作映画評論

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犬神家の一族(2006)

劇場公開日 2006年12月16日
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犬神家の一族(2006) 12月16日より有楽座ほか全国東宝系にてロードショー

市川崑監督による、新しい観客に向けての挑戦状

画像(C) 2006 「犬神家の一族」製作委員会

懐かしのテーマ曲にのって「犬神家の一族」が帰ってくる……。76年に公開されたオリジナル版は、その後日本映画界に旋風を巻き起こす“角川映画”の第一弾として大ヒット、“探偵・金田一耕助もの”が市川崑監督の手でシリーズ化されたことはよく知られている。といっても、昔のオリジナル版を知る人にしか本作を楽しめない、というわけじゃない。驚くほど前回のタッチを尊重し継承した今回の映画化は、むしろ前回の映画化を体験し損なった新しい観客に向けて、自信を持って再びあの「犬神家の一族」をそのまま見てもらおう……との挑戦状であると僕らの目に映る。いずれにしても、敗戦直後の日本を舞台に血縁や因習の強固さと脆弱さを背景とした暴力を描く本作を前に、最近流行りの昭和レトロ気分に浸る余裕など僕らに残されていない。

たとえば、デビッド・フィンチャー監督の「セブン」が公開されたとき、大騒ぎする世間を尻目に僕らは、この手の映画なら市川崑による金田一シリーズで体験済みである……と奇妙な既視感と共にうそぶくことができた。おどろおどろしい設定とペダンチックな文学趣味で彩られた連続殺人を完成度の高い画面で、しかも強靭な娯楽志向を土台に据えてつづる市川美学が、若い観客にどんな反応を呼び起こすのだろう? 最後に、今回の「犬神家の一族」を楽しむ上で最良のガイドにして予告編として、現在公開中の岩井俊二監督の「市川崑物語」があると付け加えておこう。

北小路隆志

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ABOUT THE MOVIE

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  • 犬神家の一族(2006)
  • 76年に角川映画の第1作として公開され大ヒットを記録した同タイトルを、市川崑監督&石坂浩二主演という当時のコンビのままで30年ぶりにリメイク。昭和22年、信州諏訪・犬神財閥の当主佐兵衛が逝去。犬神家の顧問弁護士である若林はその遺言書を巡って家族内で問題が起きることを予期し、東京から探偵の金田一耕助を諏訪へ呼び寄せる。だが、金田一が諏訪に着いた日に若林が殺害される。プロデューサーは「呪怨」「リング」の一瀬隆重。
  • 監督:
    市川崑
    脚本:
    市川崑、日高真也、長田紀生
    原作:
    横溝正史
    音楽:
    谷川賢作
    出演:
    石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助、富司純子、松坂慶子、中村敦夫、加藤武、仲代達矢
    2006年日本映画/2時間16分
    配給:
    東宝
  • 12月16日より有楽座ほか全国東宝系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2006 「犬神家の一族」製作委員会

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