インファナル・アフェア 無間序曲 : 新作映画評論

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インファナル・アフェア 無間序曲

劇場公開日 2004年9月18日
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インファナル・アフェア 無間序曲 9月18日よりシネマスクエアとうきゅうほかにてロードショー

スタイリッシュな夜の下で描かれる無間地獄の始まり

画像

第2章で「前史」をたどるのは「ゴッドファーザー」と同じスタイルだ。アンディ・ラウ(ラウ役)とトニー・レオン(ヤン役)こそ登場しないが、前作で充満していたエモーションは95%は保持している。奇跡である。

舞台は香港返還へ向かう激動期(91-97年)へと巻き戻されるが、その激しい情感の発信源とは、エリック・ツァン扮するサムに他ならない。例えばモグモグと食べるだけで狂気を発散する演技力に脱帽なのだ。彼には愛する妻がいて、極道の女は旦那をいち早く出世させるべく黒社会のボスの暗殺を画策。妖艶なカリーナ・ラウがまさしく毒婦=ファム・ファタールとなってサムの運命を弄ぶ。

映画は前作のはじまりへ向かって、サムが黒社会で実権を握るまでの雌伏の期間を描く。若き日の(サムの妻への思慕の情がある)ラウと(黒社会のボスの血が流れている)ヤンがやがて「立場」を入れ替えて無間地獄にハマるまでを、ディテールも丹念につむいでいく──真空管アンプがなぜ好きなのか、までも。こうした細かなディテールの集積が、前作の周到な伏線を大いに説得力あるものにしている。プリクェル(前編)としては出色だ。

夜を愛した犯罪映画の傑作の例にもれず、香港の夜はスタイリッシュで、キラキラと輝やいている。闇の中で登場人物すべての業が阿鼻叫喚を上げているかのように、胸に迫る。

佐藤睦雄

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