どろろ : 新作映画評論

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どろろ

劇場公開日 2007年1月27日
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どろろ 1月27日より有楽座ほか全国東宝系にてロードショー

作家主義と大衆娯楽の乖離に陥っていた塩田作品の結節点

画像(C)2007映画「どろろ」製作委員会

流行りの“マンガ原作もの”とあなどってはいけない。時代に拮抗するフィクションを目指して衝撃的な手塚治虫作品を選び取り、重いテーマを娯楽のオブラートに包んで見せることに挑んだしたたかな大作である。

骨格は、父の天下取りの代償として、全身に欠損を持って生まれた青年が、失われし体を取り戻す旅。ニュージーランドの大地を背景に神話的世界を目指し、香港からワイヤーワークの達人を招いてケレン味たっぷりの大立ち回りで魅せる。ただし、画的な統率感に欠けるのが残念だ。本編、アクション、特撮のタッチが遊離しすぎ、塩田明彦はスタイルを確立できなかった。難点を救って余りあるのが、主演の2人による掛け合いの妙。陰を背負った妻夫木と饒舌な少年キャラに扮した柴咲が、それぞれ身体を張って個人技をフル稼働させ、反発し合いながらも寄り添っていく様を生き生きと演じている。

結果的には作家主義路線と大衆娯楽路線の乖離に陥っていた塩田作品の結節点になっている。なぜなら「どろろ」とは、親の欲望によって予め異形となり、社会から見捨てられ居場所を見出そうともがく若者のドラマ。そう、地下鉄サリン事件後の現代日本が生んだ、魂の孤児の彷徨を見つめた塩田の問題作「カナリア」を、エンターテインメントに昇華させた変奏曲になっているのだ。

清水節

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ABOUT THE MOVIE

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  • どろろ
  • 「黄泉がえり」「カナリア」の塩田明彦監督が手塚治虫原作の同名漫画を妻夫木聡&柴咲コウ主演で映画化。戦乱の世を憂う武将・醍醐景光は、天下統一する力を得るために生まれたばかりの息子の身体の48カ所を魔物に捧げる。医者の寿海に拾われ、48カ所を補う仮の身体を貰い受けた景光の息子百鬼丸は、魔物を倒すことで自分の体の部位が取り戻せることを知り、魔物退治の旅に出る。
  • 監督:
    塩田明彦
    脚本:
    NAKA雅MURA塩田明彦
    原作:
    手塚治虫
    撮影:
    柴主高秀
    音楽:
    安川午朗、福岡ユタカ
    アクション監督:
    チン・シウトン
    出演:
    妻夫木聡柴咲コウ瑛太原田美枝子原田芳雄中井貴一
    製作国:
    2007年日本映画
    上映時間:
    2時間18分
    配給:
    東宝
  • 1月27日より有楽座ほか全国東宝系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007 「どろろ」製作委員会

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