ダーク・ウォーター : 新作映画評論

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映画

ダーク・ウォーター

劇場公開日 2005年11月12日
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ダーク・ウォーター 11月12日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

ウォルター・サレス監督の代表作になるに違いない

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母親が子どもを身ごもり、それを生むプロセスには、どこか恐怖が付きまとうのではないか……と僕には想像される。それは、自分の体内に“異物”を生じさせることで、子どもは最も身近な“他者”だ。どんなに自分にそっくりであっても、子どもが何を考え、どう行動するか完全には理解できない。だからこそ、子育てが感動に満ちているとしても……。

ホラー映画で子どもはよく悪魔とされ、母子関係を扱う本作は「ローズマリーの赤ちゃん」の系譜に連なるが、建物が映画の雰囲気を決定づける点でも両作は似ている。不気味な集合住宅に幽閉され雨や曇り空ばかり続くことに由来する閉塞感が、登場人物だけじゃなくこの映画を見守る僕らをも強烈に呪縛するのだ。それにしても、なぜサレス監督なのか?

本作は前々作「ビハインド・ザ・サン」に近い神話的世界や閉塞感を描くが、それだけでなく前作「モーターサイクル・ダイアリーズ」で若き日のチェ・ゲバラは、ラテンアメリカを旅して回ることではじめて自分たちがこの大陸の歴史や貧窮に閉じ込められている……との認識に目覚めたのであり、恐怖の世界に閉じ込められる体験をした娘が、本作のラストで浮かべる表情は、ちょっとした革命家のように晴れやかなものと僕らの目に映る。まぎれもなくサレス監督作品であるこの映画、彼の代表作の一本となるに違いない。

北小路隆志

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