コールド・マウンテン : 新作映画評論

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映画

コールド・マウンテン

劇場公開日 2004年4月24日
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コールド・マウンテン 4月24日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

「アメリカの神話」はどこに宿るか

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新興国家であるアメリカ合衆国には、当然ながら「神話」がない。だからそれに代わる「物語」が必要だ。南北戦争を背景にした大ロマン「コールド・マウンテン」がどこか神話性を課せられているように思えるのもそのせいだろう。主人公の南軍兵士インマンが脱走して恋人エイダの待つ故郷コールド・マウンテンを目指す漂流譚は「オデュッセイア」風であり、深窓の令嬢エイダがその間、生活力のある女性に成長していく姿は「風と共に去りぬ」風でもある。

そんな「アメリカの物語」は「イングリッシュ・ペイシェント」のミンゲラ監督による映画化で、完成前からオスカー候補と目されていた。でも結果的には、近来珍しい「古典風」メロドラマだ。戦争に引き裂かれた恋人たち。会えない時間が愛を深め、理想化し、信仰に近くすらなっていく。「あなたの瞳を想えば3歩、唇を夢見て5歩」と、インマンは帰路を急ぐ。その分、途上で出会う人々は唐突に現れては消え、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる背徳牧師の挿話などブツッと音がするほどカットされて痛々しい。それでもオスカー6部門の候補になり、助演のレニーは初受賞。結局、そんなハリウッド機構にこそ「アメリカの神話」は宿るのかも……。

田畑裕美

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