珈琲時光 : 新作映画評論

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珈琲時光

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珈琲時光

珈琲時光

9月11日より、テアトルタイムズスクエアほかにてロードショー

残酷な時のきらめきをとらえる穏やかな語り口

画像(C)2003 松竹 朝日新聞社 住友商事 衛星劇場 IMAGICA

小津安二郎生誕100年記念映画を台湾人の監督が東京を舞台に、日本人の俳優たちを使って多くの台湾人のスタッフで撮る。これをグローバルと言っていいかどうかは分からないが、そこにはある種の混乱と歪みが意図的に持ち込まれていることは確かだろう。

たとえばこの映画で示される人間関係は、以下のようなものだ。主人公は最後まで画面には登場しない台湾人の男の子供を身ごもっている。彼はマザコンで、主人公は彼と結婚するつもりはない。彼女の両親は実父と継母という組み合わせ、そして東京で彼女を見守る兄のような恋人のような古本屋の男。そのどこにも安定した関係はない。

彼らの生きる一瞬は、そのひび割れを決定的なものにも繋ぎとめもする一瞬である。次の瞬間には全く違う局面に、彼らは立たされる。それは彼らが生きる時間軸さえ断片的なものにするだろう。父のない子として生まれる主人公の宿す命が、どこかで古本屋の男や主人公の父や母の人生に接続されていく、SF小説や映画のような時間のねじれをそこに見ることもできる。

一瞬ごとに質を変えるそんな残酷な時のきらめきを、この映画はとらえる。そしてその穏やかな語り口が、これこそ我々の人生のありふれた風景なのだと告げるのだ。

(樋口泰人)

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ABOUT THE MOVIE

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  • 珈琲時光
  • 小津安二郎監督の生誕100年を記念して、「悲情城市」「フラワーズ・オブ・シャンハイ」のホウ・シャオシェン監督が、東京を舞台にひとりの女性の日常を繊細に描く。フリーライターの陽子は、産みの母が台湾人で日本と台湾を行き来しているが、ある日、台湾の男性の子供を妊娠していることに気づく。ヒロイン陽子を演じるのは、デビュー曲「もらい泣き」で注目を集めた一青窃。彼女に想いを寄せる古本屋店主役で浅野忠信が共演。
  • 原題:
    珈琲時光
    監督:
    ホウ・シャオシェン
    脚本:
    ホウ・シャオシェン、チュー・ティエンウェン
    出演:
    一青窃、浅野忠信、荻原聖人、余貴美子小林稔侍
    製作国:
    2003年日本映画
    上映時間:
    1時間43分
    配給:
    松竹
  • オフィシャルサイト

(C)2003 松竹 朝日新聞社 住友商事 衛星劇場 IMAGICA

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