シンデレラマン : 新作映画評論

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シンデレラマン

劇場公開日 2005年9月17日
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シンデレラマン 9月17日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてにてロードショー

ラッセル・クロウの名演が光る快作!

「遥かなる大地へ」「アポロ13」「ビューティフル・マインド」……アメリカ史の断片を切り取ってきたロン・ハワード監督による伝記映画で、1930年代大恐慌の真っ只中、極貧に身をやつしながらも、ボクシング・ヘビー級王座に挑戦したジェームズ・J・ブラドッグがボクサーとしての栄光を取り戻すまでを描く感動の実話。競馬界の奇跡の名馬「シービスケット」の活躍と同時代な点が興味深い。

ボクシング映画にはハズレがないが、この拳闘シーンは撮影・編集とも出色で、「レイジング・ブル」級のド迫力がある。カメラのフラッシュの光、血しぶき、汗が交錯するリングでの熱い“火花”は、「グラディエーター」同様に、奥歯を噛みしめたくなる。

不屈のボクサー役のラッセル・クロウ、マネージャー兼トレイナー役のポール・ジアマッティのオスカー級の名演に酔う!

大恐慌時代の極貧生活は、ミルクを水で薄めて幼い子どもたちに飲ませるほど悲惨で、父は“ミルク”を求めて闘うのだ。こうした苛酷な現実がクライマックスの感動への伏線となるが、ただひとつ、妻(レニー・ゼルウィガー)の態度が貧しさをみじめに強調するばかりで、感動を薄めているのが残念だ。男たちのヤセ我慢ぶりが心を揺さぶるだけに……。伊ネオレアリスモの名画に通底する貧しさの中にある屈託のないユーモアがもっとあったなら、映画史上の大傑作になっていただろう。

佐藤睦雄

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(c)Universal Pictures-Miramax Films-Imagine Entertainment

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