カミュなんて知らない : 新作映画評論

掲載作品数22807

ミラーズ

新作映画評論

カミュなんて知らない カミュなんて知らない 1月14日よりユーロスペースほかにてロードショー

今時の“軽さ”を批判するでも共感するでもなく

画像(C)2006「カミュなんて知らない」製作委員会

タイトルにあるカミュとは、かつて絶大な影響力を持ったあのフランスの作家なわけだけど、それこそ“知らない”人も多いかもしれないので簡単に説明にしておくと、彼の代表作「異邦人」(40)の主人公は“太陽が眩しかったから”という理由で殺人を犯し、死刑になる。不幸なことに今ではそんな“不条理殺人”なんて珍しくなくなり、この映画の登場人物である学生たちは、“人殺しを経験してみたかったから”といった理由(?)で老婆を殺した豊川の高校生の事件を題材に映画を撮れ……と教官から課題を与えられ、キャンパスでの映画作りに奔走する。物語は、学生たちの間での恋愛騒動――この辺りはトリュフォーの名作「アメリカの夜」へのオマージュ――や映画マニア的なおしゃべり、さらには数々の映画の名作を引用しながら綴られていくが、映画作りはうまい具合に運ばない。

全体として今時の学生の“軽さ”を批判するでも共感するでもなく、それを模倣するかのように終わるかと思えたこの映画、最後の15分で驚異のドンデン返しが待ち受ける。その内容についてはここで説明しない方がいいと思うけれど、“映画作りについての映画”にはどこか映画作りのタブーに触れるヤバさがあり、それが本作のラストで一気に怒涛のように全面展開される……とだけ予告しておこう。

北小路隆志

ブックマーク: この記事をYahoo!ブックマークに登録する この記事をはてなブックマークに追加する この記事をlivedoorクリップに登録する この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をnewsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • カミュなんて知らない 画像1
  • カミュなんて知らない
  • 暴走族を描くドキュメンタリー「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR」でデビュー、「さらば愛しき大地」、中上健次脚本の「火まつり」などを撮ってきた柳町光男監督が、2000年に起きた男子高校生による老婆刺殺事件をモチーフに描く青春群像劇。都心の大学生たちが、この事件の犯人の「人を殺したらどうなるか、実験してみたかった」という証言を元にこの事件の映画化を試みていく。
  • 監督・脚本:
    柳町光男
    撮影:
    藤澤順一
    音楽:
    清水靖晃
    出演:
    柏原収史、吉川ひなの、前田愛、中泉英雄、黒木メイサ、田口トモロヲ、玉山鉄二、阿部進之介、鈴木淳評、伊崎充則、金井勇太、たかだゆうこ、柳家小三治、本田博太郎
    製作国:
    2005年日本映画
    上映時間:
    1時間55分
    配給:
    ワコー、グアパ・グアポ
  • 1月14日よりユーロスペースほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C) 2006「カミュなんて知らない」製作委員会

カミュなんて知らない

  1. 作品ページ
  2. 映画レビュー
  3. 注目特集
  4. 映画評論
  5. 動画・予告編
  6. フォトギャラリー
  7. DVD・ブルーレイ
  8. けいじばん
  9. 映画館検索

- PR -

ミラーズ

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...
© eiga.com inc. All rights reserved.