ブロークバック・マウンテン : 新作映画評論

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映画

ブロークバック・マウンテン

劇場公開日 2006年3月4日
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ブロークバック・マウンテン 3月4日よりシネマライズほかにてロードショー

その寡黙さに原罪を背負った人間の悲しみがある

画像(C)2005 Focus Features LLC/WISEPOLICY

「女性が書いたとは思えないほどタフでワイルドですが、読み終わると涙を流していました」と監督アン・リーは、この映画の原作であるE・アニー・プルーの短編について述懐する。その後、大作「グリーン・デスティニー」と「ハルク」に取り組み、精も根も尽き果てた彼が結局、立ち戻ったのがこの物語。険しい山を越えた果てに新たな地平が開けたような、驚くべきマスターピースだ。

羊番の仕事でワイオミングの山にこもった2人の青年は、自分たちにも理解できないパッション(熱情)に突き動かされ、禁断の果実を味わってしまう。その味が忘れられず、2人は互いに結婚して子供をもうけても秘かに交流を続ける。だがその代償として、もうひとつのパッション(受難)が待ち受けていた……。

「ブローク(破損)バック(背)」という名の山での、つかのまの牧歌的生活。それが2人にとっての「楽園」だったことに、失って初めて気づく痛み。その意味で、これは男2人の「失楽園」といえるのかもしれない。神話や伝説とはおよそ縁のない、武骨な西部の男を通して語られる普遍的なラブストーリー。ヒース・レジャーの寡黙さに、原罪を「背負った」人間の悲しみがある。

田畑裕美

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(C)2005 Focus Features LLC/WISEPOLICY

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