ボーン・スプレマシー : 新作映画評論

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映画

ボーン・スプレマシー

劇場公開日 2005年2月11日
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ボーン・スプレマシー 2月11日より日劇1ほか全国東宝系にてロードショー

監視カメラの映像は世界全体を把握できるのか?

画像

主人公は、ご存知、CIAに養成された無敵の“殺人マシーン”ジェイソン・ボーン。前作「ボーン・アイデンティティー」では、記憶喪失状態にありながら身体だけが自然と危機に対応し、ある女性と逃亡を果たす件で終わったが、今回の物語はその2年後に設定されている。ボーンの記憶は曖昧なままで、かつての記憶の断片=悪夢にうなされるなどするばかりか、再び彼を巻き込むべく身辺に正体不明の刺客が接近、彼の心の支えになってくれた恋人を殺害されてしまう……。

前作に負けない出来に仕上がっている。スター離れした(?)デイモンの陰鬱で不透明な存在感がハマリ役であることはもちろん、主人公の記憶の断片化が、この映画で推移する物語の謎めいた断片化と重なり合い、さらには映像の作りそれ自体の断片化という方法論でそれらが補完される。僕らの世界に張り巡らされた監視カメラ群は、世界全体を透明に視覚化することを目論みつつ、少なくとも現時点ではそれを達成できずにいる。本作で頻出する監視カメラ的な映像は断片的なものに止まり、世界全体を把握するに至っていない。監視=権力側からすれば不本意なこうした状況こそが、ネットワークから零れ落ちる匿名的な存在であるボーンらに活躍の場を与えると同時に、この映画でのスリリングな物語を生み、展開させる土壌ともなるのだ。

北小路隆志

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